「手漕ぎ」に感銘? 大泉洋が名言だと思う鈴井貴之の言葉

CUEのキセキ クリエイティブオフィスキューの20年 (ダ・ヴィンチブックス)
『CUEのキセキ クリエイティブオフィスキューの20年 (ダ・ヴィンチブックス)』
クリエイティブオフィスキュー
メディアファクトリー
1,512円(税込)
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 先日、大泉洋主演の映画『探偵はBARにいる』の続編が、クランクインしたというニュースが届きました。前作では、雪に埋められたり、スノーモービルに乗りながらのアクションシーンが続いたりと、イメージにはない(?)ド派手なシーンでファンを魅了しましたが、今回も本人が「アニメじゃないんだから」とツッこむ程のシーンが待っているようです。また、自由人を演じた映画『グッモーエビアン!』もこの12月に公開。ファンには見逃せない作品が続きます。

 上記作品のほか、『しあわせのパン』や『プラチナタウン』など、名作に多数出演した大泉が、今後、所属するCUEでやりたいことに「北海道でのドラマ作り」をあげています。書籍『CUEのキセキ クリエイティブオフィスキューの20年』のなかで、「僕ひとりではできないだろうけど、CUEのスタッフがいてくれたらいつか実現できると信じています」と心中を明かしています。CUEとは、今年で設立20周年となる北海道の小さな芸能プロダクション・クリエイティブオフィスキューのこと。鈴井貴之をはじめ、TEAM NACSのメンバーが所属しています。

 同書のなかでは、人気番組『水曜どうでしょう』にも触れられています。同番組がはじまった当初、大泉はまだ大学生。アルバイト感覚で参加しており、社長の鈴井は「余計なことを言うと、僕はキミをつぶすかもしれない」と大泉を脅していたそう。「何で俺は社長につぶされなければいけないのかと!」と大泉は笑いますが、彼のフワフワした立ち振る舞いに、社長も本物のアルバイトだと思っていたのではないでしょうか。

 また、同番組のレギュラー放送が終わったことが、CUEでの活動の転機になったと言います。「その夜は不安で眠れなかった。東京に出ていこうという気持ちもなかったし、この先どうしようかと思ったのを覚えています」と当時を振り返る。

 個人、TEAM NACSとしての全国進出も転機だと言えそうですが、その頃の思いについては、CUEがついているから大丈夫という自信と、北海道の人が変わらずに見続けてくれるために、タレント・役者としての価値をあげなければという不安があり、東京進出を決めたそう。

 「一度東京に出たら後戻りはできないぞっていう思いというか、一時のブレイクに終わったらかっこ悪いという怖さがあったんです。なぜか、東京で成功したあとの心配をしていましたね(笑)。でもそのとき社長がNACSを集めて言ったんです、『心配しないでほしい。僕たちは今までとは違う海に出たかもしれないけど、そんな大きな船で出ていくつもりはありません。手漕ぎボートで出ていくつもりです。危ないと思ったらすぐに港に戻ればいいから』って。普通なら『手漕ぎかよ(笑)』って思うんだろうけど、僕はその言葉に安心したんですよね。鈴井貴之の名言としてずっと胸に残っています」(大泉)

 その後の活躍は、知っての通り。多方面で活躍し、今では全国区の人気タレントとなりました。こんな強固な関係で結ばれた(?)大泉とTEAM NACSとCUE。どこか肩の力の抜けた彼らの今後の活躍にも期待です。

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