平成生まれの直木賞作家となるか、話題の作家・朝井リョウはアホすぎる?

学生時代にやらなくてもいい20のこと
『学生時代にやらなくてもいい20のこと』
朝井 リョウ
文藝春秋
1,080円(税込)
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 第147回芥川賞・直木賞の候補作が発表されました。

 芥川賞は、戌井昭人『ひっ』、鹿島田真希『冥土めぐり』、鈴木善徳『河童日誌』、舞城王太郎『短篇五芒星』、山下澄人『ギッちょん』。そして、直木賞は、朝井リョウ『もういちど生まれる』、辻村深月『鍵のない夢を見る』、貫井徳郎『新月譚』、原田マハ『楽園のカンヴァス』、宮内悠介『盤上の夜』です。

 宮内悠介、原田マハ、朝井リョウの3人は、直木賞初ノミネート。朝井リョウは、同賞史上初の平成生まれの候補者で(1989年生まれ)、受賞すれば男性の最年少記録を更新します。

 そんな朝井リョウの作品は、今回の『もういちど生まれる』をはじめ、第22回小説すばる新人賞を受賞した『桐島、部活やめるってよ』や、『星やどりの声』『少女は卒業しない』など、若者や青春を描いた作品が中心です。

 しかし、エッセイ集『学生時代にやらなくてもいい20のこと』のなかでは、筆者の等身大の姿を惜しげもなく紹介しています。その結果、書籍の帯には、「アホすぎる(30代・女性)」「こんなバカやってても就職できるんだと勇気が湧く(大学生・男性)」「ゆとり世代の部下の扱いの参考にと読んだが無駄だった(50代・男性)「新幹線に忘れた(40代・男性)」と、手厳しいものから、筆者に負けない程にユニークな声が掲載されています。

 それもそのはず、お腹が極端に弱いために大学の合宿先で苦労した話、有料のカラーモデルを経験した話、たった一日しか撮影時間がなかったダイエットドキュメンタリーの話など、エッセイを読まなくても、帯に出てきそうな言葉が漏れてきそうなものばかり。

 直木賞作家には個性的な人が多いですが、その点においては、朝井リョウはすでに到達していると言えるのかもしれません。

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