「日本のものづくり」再評価する書籍、雑誌が続々 グッチも公式ブログで

日本のデザイン――美意識がつくる未来 (岩波新書)
『日本のデザイン――美意識がつくる未来 (岩波新書)』
原 研哉
岩波書店
864円(税込)
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 2月22日、グッチが日本の"ものづくり"をテーマにしたブログ『HAND』を始めました。1921年の創業以来、職人の手仕事にこだわり続けてきたグッチが日本の職人技を守り継ぐために始めるもので、週に1回、日本の伝統的なものづくりの数々を動画と共に紹介していきます。

 日本の伝統技術への関心が高まる近年、グッチに限らず、出版業界でもこうした"ものづくり"に着目した特集や書籍が多く出版されています。

 例えば、エイ出版の雑誌『Discover Japan』が昨年末、「メイド・イン・ニッポン!」と題した特集号を発売したほか、『Casa BRUTUS』(マガジンハウス)の連載「ニッポンの老舗デザイン」をまとめたムック本も好評を博しました。

 どうして今、日本の伝統的技術に注目が集まっているのでしょうか。日本デザインセンター代表の原研哉氏は、著書『日本のデザイン』で「経済がグローバル化すればするほど、(中略)他方では文化の個別性や独自性への希求が持ち上がってくる」と分析しています。

「文化は無機質なグレーに成り果てるのを嫌う」とも原氏。伝統文化への回帰は、グローバル経済の発展と共に、世界遺産の人気が高まっていったことと同型だそうです。そして、こうした流れの中で起こったのが東日本大震災でした。その衝撃は大きく、日本文化の歴史における「巨大な句読点」(原氏)となって、我々に価値観の見直しを迫っています。

 原氏によれば、デザインは「ニーズ」が「ルーズ」にならないように引き締めるもの。そして、日本の伝統的なものづくり品ほど、シンプルさという美意識に貫かれたものはありません。ちょうどアップル社のスティーブ・ジョブズが、日本文化をヒントに洗練されたプロダクトの数々を生み出したように、日本のものづくり品は今の時代にこそ必要とされるアイデアに満ちています。

 日本のものづくりへの再評価は、日本が価値観の転換期に差し掛かっていることを表しているのです。


グッチオフィシャルブログ『HAND』

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