「MF遠藤を理解しろ」ガンバ大阪入団が決まった今野が提言

観察眼 (角川oneテーマ21)
『観察眼 (角川oneテーマ21)』
遠藤 保仁,今野 泰幸
角川書店(角川グループパブリッシング)
782円(税込)
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 J1のガンバ大阪は、今季の大型補強としてFC東京から日本代表MF今野泰幸を完全移籍で獲得したことを正式発表しました。今野は宮城県の東北高校から札幌に入団すると、2004年にFC東京に移籍。05年から日本代表でプレイしており、ザッケローニ監督が指揮をとってからの日本代表では、唯一の全試合フル出場中。ガンバ大阪での背番号は、日本代表と同じ「15」になる予定です。

 そんな今野が、ガンバ大阪でボランチを務める遠藤保仁と仲が良いといったことはあまり知られておりません。日本代表で食事が終わると今野は遠藤の部屋に直行するほど仲が良いと、今野と遠藤による書籍『観察眼』のなかで告白しています。2007年のオシムジャパンのオーストリア遠征時、遠藤と加地がウノ(UNO)に今野を誘ったのがきっかけ。それから毎晩、ウノをやってリフレッシュしたそうです。加地が代表を引退した今は、長谷部誠や田中マルクス闘莉王などが加わり、レベルの高い戦いが繰り広げられているようです。

 もともとボランチでプレイしていた今野は、同じポジションの遠藤のプレイには感心することばかりだといいます。試合中には、センターバックがサイドに引き出されることが多々あり、その時に素早くセンタリングを上げられると、ゴール前の守備人数が足りなくなってピンチを招きます。そんな時に遠藤はセンターバックの位置まで戻り、今野のポジションをカバーしているのです。当たり前に思えることですが、そういう心遣いのあるポジショニングは、日本代表レベルでも意外とできる人が少ないと今野はいいます。

 また、攻撃面においても遠藤を高く評価しています。遠藤のパスは、簡単に出しているようで、すべてがメッセージ付きの優しいパス。受け手が次のプレイをしやすいようなパスを出しているのです。バックパスであっても、ただ後ろに下げるだけではなく、「次はここにパス出せよ」というメッセージが込められているのです。

 「ヤットさん(遠藤)のメッセージをチームメイトは、もっと理解する必要があります」(今野)

 遠藤が相手にわざと食いつかせた後、「リターンをくれ」という意図のパスを出しているのに、視野が狭く、周囲の状況を的確に把握することができない選手は、そこでリターンしません。そういったプレイが続くとチームのリズムが悪くなり、主導権を握ったサッカーを展開できなくなります。

 日本代表では、香川真司や本田圭佑らが遠藤の考えを理解しているため、2011年8月の韓国戦のように相手を圧倒することもしばしば。そういう意味では、今野のガンバ大阪入団は、単にディフェンス力の向上だけでなく、遠藤の理解者としても大きな意味を持つのではないでしょうか。

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