タスク管理の中に「トイレの時間」も入れていますか?
- 『クラウド時代のタスク管理の技術―驚くほど仕事が片付いてしまう!』
- 佐々木 正悟
- 東洋経済新報社
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iPhoneにアンドロイド、iPadとめまぐるしい速さで進化を続けるデジタルツール。それは日常生活にはもちろん、ビジネスシーンにも大きな影響を与えています。
心理学ジャーナリストで、ライフハックブームの仕掛け人の佐々木正悟さんは、著書『クラウド時代のタスク管理の技術』の中で、デジタルツールを使ったタスク管理術を紹介しています。この中では佐々木さんは、スマートフォンとPC、そしてオンライン上に情報を保存できる「クラウド」技術を利用することで、より効率的なタスク管理ができると提案しています。
例えば、クラウド技術を使ったツールのひとつ「プロジェクト管理ツール」では、ひとつのイベントを達成するまでにどれくらいのタスクが必要かを記録します。「共同作業ツール」では、チャットなどで生まれたささいな用事も逃さず「タスク」として記録しておくことができます。そしてそれらを「タスク管理ツール」でリスト化、スマートフォンなどで管理すれば、日々何をすれば良いのか一目で分かるシステムが完成するというわけです。
佐々木さんはこのシステムを使うことで、「タスクは実行する時まで完璧に忘れ去っていられることが理想」だと言います。全てをツールに任せておけば、やるべきことを思い出したり予定を組んだりする労力を別のことに使うことができるからです。
さらには、「ルーチンタスク」の管理が上手くいけば、「仕事の7割は上手くいくと信じている」と断言。ルーチンタスクというのはその名の通り、日々繰り返される同じ作業のことですが、ここで興味深いのは、そのルーチンタスクの中に「食事」や「シャワーを浴びる」、究極をいうと「トイレに行く」も入れるべきだという点です。
これは、より細かな時間管理を実践するためということですが、実はもうひとつの効果もあるのだそうです。それは、リストの中に「苦もなくできることがあることで、やる気を出す」ということ。特に「食事」はタスクとして占める時間も多いため、単に「1時間ランチに行った」だけなのに、リストに入ることで「1時間のタスクを完了させた」と達成感が得られるのだとか。
確かに、単に膨大な仕事が書かれたタスクリストを目にすると、気がめいってしまい、それが原因でタスク管理が上手くいかなかった人も多いはず。タスク管理を長続きさせるために、まずは自分のモチベーションの管理から、というわけですね。