ふた裏、使っていませんか? 汁物の器の正しい扱い方

撮影:砂原 文
和食に欠かせない汁物。ふたの裏に殻を入れたり、ふたを裏にして重ねたりしていませんか? 汁物の器の正しい扱い方を、江戸懐石近茶流嗣家(きんさりゅうしか)の柳原尚之(やなぎはら・なおゆき)さんがアドバイスしてくれました。

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器もおもてなしのひとつとして楽しんでいただきたいので、料理に合わせたものを、心を込めて選んでいます。なかでも漆やまき絵を施した汁椀は、繊細なものも多く、手荒に扱うと傷がつき、まき絵がはがれるおそれもあります。むやみに重ねたりお膳の上を引きずったりせず、慎重に扱いましょう。
ただ、器の扱いばかりに気を取られていては、せっかくの料理も食べた気がしませんので、いつもより少し丁寧な動きを意識するくらいの気持ちで器を扱い、料理を楽しんでいただければと思います。

■ふた裏は使わない

汁椀のふたの裏に、殻を入れないこと。漆塗りに傷がついたり、まき絵などの模様がはがれたりすることがあるので、避けましょう。どうしても邪魔な場合は小皿などに取り出して。

■重ねない

食べ終わったことがわかるようにと、汁椀のふたを裏にして重ねる……。実はこれは器が傷つく原因のひとつ。食べ終わったら元どおりにふたを閉めればOKです。
■『NHKまる得マガジン いまさら聞けない 美しい箸の使い方』より

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