知ってた? ベリーのひみつQ&A

サザンハイブッシュ系の人気品種の一つ'スター' 撮影:田中雅也
かわいらしくて、きれいで、おいしくて。目も舌も楽しませてくれるベリーは家庭で育てるのにぴったり。ここではまず、栽培を始める前に押さえておきたい豆知識や魅力を、恵泉女学園大学人間社会学部社会園芸学科非常勤講師の小林幹夫(こばやし・みきお)さんに教えていただきます。

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■Q1 そもそもベリーって何?

 
A1 ゼリー状の果肉をもつ小さな果実のこと
ベリーと聞いてまず思い浮かぶのはブルーベリーラズベリーではないでしょうか。特にブルーベリーは、スーパーの青果売り場に小さなパック入りで並ぶ様子がおなじみです。まれにラズベリーやブラックベリーも見かけることがあります。青果売り場ではあまり目にしませんが、ブラックカラントやコケモモなどもベリーです。ベリーには数多くの種類があります。
植物学的な定義は別として、「ベリー」という場合、日本と欧米では多少、異なるところがあります。日本では一般に、低木になる小さな果実でゼリー状の果肉をもつものを指し、「小果樹」と呼ぶこともあります。
一方、欧米でベリーという場合、ゼリー状の果肉をもつ小さな果実を指すという点では日本と同じですが、木だけでなく草になる種類も含めます。そのため欧米ではイチゴ(ストロベリー)や食用ホオズキなどもベリーと呼ばれます。
もっとも、だからどうしたという話ではありません。共通するのは「ゼリー状の果肉をもつ小さな果実」という点。小さくてかわいくて、色もきれいなものが多く、食卓を華やかに彩ってくれる魅力あふれる宝石のような存在。それがベリーです。

■Q2 暖かい地域では育たない?

A2 種類を選べば育てられる
ベリーは涼しい地域で育つ印象があるかもしれませんが、同じ種類でも、系統を選べば暖かい地域でも育てられます。例えばカラントでは、レッドカラントに比べてブラックカラントは暖かい地域でもよく育ちます。
また、ブルーベリーには3つの系統があり、ノーザンハイブッシュ系は冷涼な地域に向きますが、温暖地で栽培できる品種もあります。サザンハイブッシュ系は比較的暖かい地域で育ち、ラビットアイ系はブルーベリーの3系統のなかで最も暑さに強く、温暖な地域に向きます。
おいしさではノーザンハイブッシュ系が一番で、完熟した果実の上品な甘みと香りはほかの系統を超えます。ただし、サザンハイブッシュ系やラビットアイ系でも、品種を選べば同じようなおいしさを味わえるものもあります。
キイチゴの仲間では、ラズベリーに比べるとブラックベリーは暖かい地域でよく育ちます。
※続きはテキストでお楽しみください。
■『NHK趣味の園芸』2021年7月号より

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