藤沢里菜 女流立葵杯 vs.茂呂有紗初段の好局 博多・カマチ杯女流オープン戦

藤沢里菜女流立葵杯 撮影:河井邦彦
新しい女流棋戦が開幕!
2月15日、16日の2日間において、新しい女流棋戦「第1回博多・カマチ杯女流オープン戦」が東京・日本棋院で開催された。
本大会の目玉は、何といっても台湾を代表する女流棋士、黒嘉嘉七段がワイルドカードとして参戦したことだろう。
その美貌もさることながら、女流国際棋戦「ワールド碁女流最強戦」で準優勝を果たすほどの実力者だ。
2日間で本戦1回戦、2回戦が行われ、ベスト4は上野愛咲美女流本因坊、向井千瑛五段、牛栄子二段、藤沢里菜女流立葵杯となった。いずれも大熱戦だったが、その中から本稿では藤沢里菜(ふじさわ・りな) 女流立葵杯(黒) vs.茂呂有紗(もろ・ありさ)初段の1回戦の観戦記をお届けする。

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日本囲碁界の女王、藤沢女流立葵杯にNHK杯戦の読み上げでおなじみの茂呂有紗初段が挑む。

 


黒27まで、右辺黒と下辺白の模様対決。白28から突入し、右上で激しい戦いとなった。黒41が生きている石から動きやや緩着で、134にハネたかった。白42から46と先制攻撃を仕掛け、茂呂がペースをつかむ。
白52まで戦果を挙げた直後、白54が打ち過ぎ。黒55が厳しい反撃で、攻守が目まぐるしく移り変わる。白54では1図、白1が防衛の要点だった。続いて黒2、白3と補強するくらいが相場の進行で、白に不満がなかった。
また白62が問題で、黒63と打たれ上辺白はほぼ取られた。2図、白1、3と生きるのが大きかった。中央は白5で攻めを食らわない。白64で下辺の白模様で一局打つ構想だが、黒65と深く侵入され攻め方が難しい。黒87まで生きられては、上辺の損を回収できなかった。


白104、106と粘りの手筋でコウに持ち込むも、黒の手数が長く攻め合いに持ち込めない。黒151と取り切られ、白は地合いで及ばない。
※テキストではこの他にも牛 栄子二段vs.黒 嘉嘉七段など3局の観戦記を掲載しています。
■『NHK 囲碁講座』2020年6月号より

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