世界平和の願いをその名に込めて——日本生まれのバラ ‘のぞみ’

可憐な一重花が無数に咲く半つる性の品種。日本生まれのバラとして長年、世界中で育てられ愛され続けています。撮影:筒井雅之
『NHK 趣味の園芸』の連載「世界がときめくにっぽんのバラ」では、日本で生まれ、世界で認められ歴史に名を刻むバラを紹介しています。2019年3月号では、世界平和を願って命名された‘のぞみ’を取り上げます。

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地を這うように四方に枝を伸ばし、淡桃色の一重花を株一面に咲かせる、珍しい特徴をもつ‘のぞみ’。ローズスタイリストの大野耕生さんが初めてその花を見たのは、「花フェスタ'95ぎふ」の植栽時でした。
「目の高さで花をいっぱい咲かせて枝垂れるスタンダード仕立ての‘のぞみ’の姿がとても新鮮で、バラの庭づくりに新しい可能性を感じました」
作出者・小野寺透さんは初作出となるこのバラに、平和への願いを込めて、戦争で幼くして亡くなった姪の名前をつけました。和の趣もある可憐な‘のぞみ’は、海外でも広く栽培されています。また、交配親として多くのバラの誕生にも使われてきました。
名前の由来にも深く共感した、という大野さん。「未来へ望みをつなぐバラ。この花を目にした皆さんに幸せになってもらえたら、と‘のぞみ’を見るたびに思うのです」と、大野さんは話します。
■『NHK趣味の園芸』2019年3月号より

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