ちょっと面倒な追肥……やるか否かで大違い

一般的な追肥の方法。株の周囲全体に、パラパラと肥料をまく。1か所にまとめてまくのではなく、栽培スペース全体に、まんべんなくまくとムラなく吸収される。撮影:鈴木正美
生育の途中で与える肥料を「追肥」といいます。なぜ元肥(もとごえ)だけではダメなのでしょうか。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんは、「やるか否かで生育に大きな差が出ます」と断言します。

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野菜も人間と同じで、株が小さいうちは肥料を多く必要としません。また、肥料分は雨などで流出するため、元肥で収穫までに必要な全量を与えるより、追肥を行って途中で補うほうが効率よく吸収されます。
追肥の頻度や収穫までの回数は、野菜の種類によって異なります。栽培期間が短い葉もの野菜は収穫までに1回のみですが、長く収穫を続けるトマトなどは2週間に1回行います。

■追肥の目的

1 肥料のムダを防ぐ
肥料分は雨や水やりなどによって流出する。収穫までに必要な量をまとめて施すより、何回かに分けて施すほうがムダにならない。
2 肥料切れを防ぐ
生育の途中で肥料が不足すると、野菜はスタミナ切れを起こして育ちが悪くなる。トマトやナスなど収穫期間が長い野菜ほど、追肥で定期的に肥料分を補おう。
3 生育を急激に促す
野菜には、肥料分を急激に必要とするタイミングがある。例えば実もの野菜は花を咲かせて実をつけるころから、ニンジンなどの根菜類は根が伸びたあと、太り始めるタイミングで肥料を多く必要とする。適切なタイミングで補うと、一気にグッと成長する。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2018年8・9月号 より

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