弟子だけが知る師匠エピソードで会場沸く–囲碁で復興支援 in 熊本

ダイアナ ガーネットさん(左)と、安藤和繁五段(右) 写真・文:丹野憲一
震災で被害を受けた皆さんに癒やしや笑顔をお届けする「NHK公開復興サポート 明日へ in 熊本」が2017年10月15日に尚絅(しょうけい)学園 九品寺(くほんじ)キャンパス(熊本市)で開催された。今回も昨年の陸前高田市に引き続き「囲碁フォーカス」の公開収録が行われた。

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講義室の一室で行われたイベントには「囲碁フォーカス」の講師を務める安藤和繁五段、司会のダイアナ ガーネットさんのほか、小林覚九段、吉田美香八段、そして地元熊本市出身の鶴山淳志七段がゲストとして登場。
小雨が降り続く中、講義室は100名に迫る囲碁ファンの皆さんでぎっしり埋まり、安藤五段とダイアナさんによる囲碁講座のほか、棋士による公開座談会、プロ・アマ混合の連碁が行われた。

■会場の半数が知人!

鶴山七段は5歳で囲碁を覚え、小学2年のころに地元の囲碁教室に通い始めたそうだ。熊本では子どもたちへの囲碁普及が盛んで、この日も教室の先生たちが20名を超える子どもたちを連れてきてくれた。「(会場の方々は)半分以上が知っている人たちです。僕が習った先生もいらっしゃいます(笑)」と鶴山七段が言うと、会場が大いに沸く。
小学5年のとき、趙治勲名誉名人が熊本に来られた際に声をかけてもらったことがきっかけで、内弟子になったという。

■私だけが知っている師匠

公開座談会では、棋士たちがそれぞれの「私だけが知っている師匠」のエピソードを惜しみなく披露した。
木谷實九段の弟子である小林九段は、父親に無理やり木谷道場に連れてこられたのが弟子入りのきっかけだったとのこと。木谷九段から直接怒られたことはなく、お母様(木谷夫人・美春さん)に年中怒られていたそうだ。「いちばん怒られていたのは、鶴山七段の師匠でしたが(笑)」と小林九段が言うと、「そのためでしょうか、治勲先生にはすごく怒られ、とても大切にしてもらいました(笑)」と鶴山七段。たまに「お前、少し腕を上げたな」というひと言を聞くと、強くなった気がしたという。
安藤五段は、菊池康郎氏が主宰する緑星囲碁学園に、小学1年のときから姉と一緒に通い始める。学園では朝から夜まで正座と決まっており、兄弟子の山下敬吾九段は正座したまま居眠りをしていたとのこと。
座談会の最後、吉田八段の「みんな、結構さぼっていたのね」のひと言に、場内が爆笑に包まれる。

■ダイアナの歌声に感動!

イベントの最後に行われた連碁には、プロを目指したいという子どもからルールを知らないお母さんまで、会場の全員が参加。子ども教室の先生の順番になると「先生、頑張れー!」の声が上がるなど、大いに盛り上がった。
そして歌手であるダイアナさんが、復興を応援する生歌で収録を締めくくると、場内は大きな拍手と笑顔であふれかえった。
復興サポートとは思えないほどの盛り上がりで収録は終了したが、いまだに多くの方が仮設住宅に住んでおられるだけでなく、町中を見渡すと震災の傷痕もまだまだ残っている。
「笑顔でやっていけば、元気が出ると思います。囲碁がその助けになれば」と安藤五段が語るように、囲碁が、明日へと進む皆さんの活力源に少しでもなるように、心より願いたい。
■『NHK囲碁講座』2018年2月号より

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