若年層ほど「自炊の増加」が顕著!? 次世代型レシピ本にみるコロナ時代の「食」の楽しみ方

Tasty Japan #バズりごはんBEST50: Tasty Japan Cook Bookシリーズ
『Tasty Japan #バズりごはんBEST50: Tasty Japan Cook Bookシリーズ』
Tasty Japan
小学館
1,430円(税込)
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 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、リモートワーク導入や外出自粛などを通じて、自宅で過ごすことが推奨されています。2021年1月7日からは一部地域で2度目の緊急事態宣言が発令されました。あらためて、「おうち時間」と向き合う契機になっている人も少なくないかもしれません。

 おうち時間において、とりわけ大きな要素となるのが食事。全国の農家や漁師などの生産者と消費者を直接つなぐアプリ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本店所在地:岩手県)は、10代~70代の男女7,700名を対象に、「食」に関する意識調査を実施しています。

 同調査によると、半数以上(56.3%)が2020年3月以降に自炊が「増えた」と回答し、自炊を「週6〜7日」行う人の増加のピークは同年5月で、コロナ以前(2020年2月以前)と比較すると1.3倍に増加しています。「withコロナ時代」において、「自炊」は私たちのニュースタンダートになりつつあることがうかがえます。

 同調査で注目したいのが、若年層ほど自炊の増加が顕著なことです。「30歳以下」の約6割(64.3%)が自炊が「増えた」と回答し最多。インターネットに精通したり「SDGs」に関心が高かったり、上の世代とは異なる特性を持つとされる、いわゆるミレニアル世代、Z世代と呼ばれる人々が、新型コロナを機に自炊の価値を見直しているようです。

 そんな新世代の自炊の楽しみ方の一端を知れるのが、『Tasty Japan #バズりごはんBEST50:Tasty Japan Cook Bookシリーズ』(小学館)です。同書は、全世界のミレニアル世代・Z世代の若者に人気のおしゃれ料理動画の元祖「Tasty」の日本版で初めてのレシピ集。「Tasty Japan」のInstagramは、タレント・渡辺直美さんに次いで日本2位のフォロワー数となっており、若年層を中心に本家に負けない支持を集めています

 同書では、「Tasty Japan」公開から4年間で特に視聴回数が多かったものをピックアップ。最も人気の高かった「ふわトロ!トルネードオムライス」(再生回数278万回、本書より)、「チーズがのびる韓国式ハットグ」(同95万回)をはじめ、ミレニアル世代やZ世代が料理に求めるニーズである「映える」、「おいしい」、「(SNSにシェアして)バズる」の3つの要素を盛り込んだレシピを多数収録しています。

 さらに、「料理のスキルを問わず、料理を作りたいと思う人の気持ちに寄り添う」というTastyのコンセプトを体現し、手軽に作れる簡単レシピを中心に掲載しているのも特徴。料理初心者であっても、レシピ本片手に動画を見ながら料理すれば、「スープがじゅわっ!フライパン小籠包」(同195万回)、「ぷりぷりエビちり」(同60万回)などの絶品おかずを自宅でおいしく作れます。

 「『このレシピ、面白いね!』『おいしそうだね』『食べたいから作ってくれる?』......など、生活の中で人と人とのコミュニケーションの機会を増やすメディアでありたい」(本書より)という言葉が示すように、話題のきっかけとなるエンターテインメント性も重視されているメニューが多いのもポイントです。

 「悪魔のチャーハン」(同40万回)といったSNSで話題になったメニューや「鶏むね肉でふわふわチキンナゲット」(同37万回)といったファストフードの人気メニューをヘルシーにアレンジしたアイディアメニューは、コロナ禍で外食が難しい状況でも強い味方になるでしょう。

 リアルとWEBの垣根が低く、社会的意識も高いと言われるミレニアル世代やZ世代。コロナ禍ではWEBでみたレシピを自宅で作ることを楽しみ、状況が落ち着いたらプロの味を確かめに飲食店へ行って外食産業に貢献するなど、食に関しても臨機応変に対応できる頼もしい世代なのではないでしょうか。

 外出自粛期間が長期化しつつある今、自炊にマンネリを感じることがあれば、同書に体現される若年層の食の楽しみ方を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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