本探しは恋愛に似ている? 著名ブロガーの人生を変える「運命の1冊」の出会い方
- 『わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる』
- Dain
- 技術評論社
- 2,420円(税込)
- >> Amazon.co.jp
- >> HonyaClub.com
- >> HMV&BOOKS
外出自粛により家で過ごす時間が増えています。おうち時間の楽しみ方は人それぞれですが、読書にいそしむ人も多いことでしょう。でも、自分にとって「面白い」「すごい!」と感銘を受ける本を見つけるのは、なかなか難しいものです。
いまや本との出会いは、書店だけに限りません。Amazonなどのネットショップをはじめ、商品レビューやブログ、SNSなど数多くの情報があふれています。もはや、「運命の1冊」に出会うのは至難の業といえるのではないでしょうか。
日本最高峰の書評ブロガーとも称されるDainさんは、その答えとして、著書『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』の中で、「本ではなく人を探せ」とアドバイス。一体どういうことなのでしょう。
Dainさんによると、読みたくなる数百万冊は確かに存在するが、それをピンポイントで探し当てるのは非常に難しいこと。それならば視点を変えて、それらの本を読んだことがある人は必ずいるのだから、「読んだ人」を探せばいい、というのです。
具体的には、Amazonのレビュアーであれば、自分が気に入っている多くの作品に高評価をつけているレビュアーこそ、探すべき「人」に該当します。ブロガーや書評サイトでも同様に、自分が好きな作品を検索して、「人」を探していくことが近道です。
リアルの書店であれば、自分の趣味の合う書店員のPOPを書いている「人」に注目。さらに、自分が好きな作家が読んでいる本や作家も、重要な判断基準になり得ます。つまり、探すべきは「好き」が重なる「人」ということです。
しかし、ようやく「人」が見つかっても、また新たな問題が発生します。その「人」がおすすめする本を素直に即買うか、ということ。答えは「ノー」。Dainさんは「本屋は出会い系、図書館は見合い系」とアドバイスします。
書店やネットショップで見つけた「一目惚れし本」は、「運命の1冊」とは限りません。その直感が正しくなければ、家に持ち帰ると違和感が生じてしまい、本棚の肥やしになるばかりか、お金も無駄になってしまいます。
でも「図書館の本」であれば、「チェンジ」が効きます。何度も図書館を利用し、"お見合い"期間を経ることで、「買うべき本の確度」が上がる。そのうえで、違和感がなければ、購入すればいいというのです。Dainさんは以下のように述べます。
「その一冊が運命の一冊であることに気づくためには、時間がかかる。本屋での直感を信じるか、お持ち帰りした後の違和感を信じるか。そんなあなたに、『直感は裏切ることがあるけれど、違和感は裏切らない』という金言を贈ろう」(本書より)
本書では図書館の活用法から読書術、著名な作家から学ぶ書き方、育児書の見分け方など、本にまつわるテーマに幅広く対応。共通するのは、本が人生を豊かにするものであると同時に、人生を変えるということ。あなたにとって、本書が「運命の1冊」になるかも?