本日よりロードショー公開の『ドラゴン・タトゥーの女』を読む

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)』
スティーグ・ラーソン
早川書房
864円(税込)
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 映画『ドラゴン・タトゥーの女』が本日より全国ロードショーとなります。この原作本はスウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンによるもの。2005年に発表された『ミレニアム』シリーズは3部作で、全世界で6500万部を超えたベストセラーとしても話題の作品です。

 今回映画化されたのは、シリーズ第一弾の『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』。雑誌『ミレニアム』の記者・ミカエルは、スウェーデン屈指の財閥一族の長から、消えた美少女・ハリエットの謎を解明するよう依頼されます。40年も前の事件を調べる主人公のアシスタントとして登場するのが、背中に入れ墨をした天才ハッカー・リスベット。彼女が受けた性的暴力とそれに対する復讐、法廷でミカエルと争い、勝訴した企業家との関係など、本筋以外の部分も見事です。

 何より、このリスベットのキャラクターが飛びぬけています。社会不適合者のレッテルを貼られていますが、能力は超一流。彼女なくして事件は解決せず、ミカエルも死んでいたはず。彼女が本作品にもたらす爽快感はこのうえないものです。

 映画化され、爽快感は倍増したといっていいでしょう。たとえば、作品の後半に登場するカーアクションは、スピード感とスリルで迫力満点。少し設定を変えたことによって、さらに印象的なシーンとなっています。また、リスベットが新しい後見人に復讐を果たす場面は、小道具などを今の時代に合わせて変化させ、その他は忠実に再現。小説を読んでから映画を見た人にとっては、原作での衝撃を再確認することができるシーンといってもいいかもしれません。

 「読んでから見るか、見てから読むか」。1970年代後半に行われた某出版社のメディアミックス展開のコピーがあてはまるような両作品です。

 映画『ドラゴン・タトゥーの女』は、いよいよ本日より全国ロードショーです。

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