リクルートのオフィスにはなぜ垂れ幕が吊るされるのか~『リクルート式 1人1000万の利益を生む人の創り方』
- 『リクルート式 1人1000万の利益を生む人の創り方』
- 小原 瑞穂
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かのリクルートのオフィスには、たくさんの垂れ幕が吊るされているそうです。
「目標達成」という、いかにも営業らしいものだけではなく、新入社員や異動者に対して「歓迎○○さん ようこそ○○部署へ」など、不安な気持ちを払拭するようなものも。また、いつの間にか入手した笑える顔写真や、特徴をとらえた似顔絵で営業の進捗状況を報告し、怒っている上司の顔写真に吹き出しを付けたりと、ただの棒グラフだけでは殺伐としてしまうところを和ませる役割を担っているのだとか。
一昨年、東京駅前にオフィスを移転した際、垂れ幕文化を残せるようにわざわざ天井にレールを引いたそうです。リクルートにとって垂れ幕は、それほど大切にしているコミュニケーションツールだと言えます。
ところでリクルートは、比較的新しい会社のように感じられるかもしれませんが、昭和35年創業で、そろそろ50年を迎えようとしている歴史ある企業。昭和38年時の従業員は16人、売り上げは7,400万円。それに比べて現在は、従業員7,477人(2009年・4リクルート単体)、グループ企業72社、売り上げ1兆839億円(2009年・三連結)。売り上げでみると、なんと1万5000倍にもなっています。
リクルートには1人の天才やスーパーマンが存在したわけではないといいます。普通の従業員1人1人が高い目的意識をもち、果敢に挑戦したことで、このような業績を残してきたと。創業者の江副浩正氏が退任した後、トップや経営陣が何人代わっても成長し続けることができたのは、江副氏が、自分がいなくなっても、従業員たちが生き生きと働きたくなるような仕組み・仕掛けをいたるところに残していったためだそうです。
明日からできる小さな工夫の積み上げで、自分や会社が幸せになることができることを体現したリクルート。学ぶ点は多いかもしれません。