連載
続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!

第23回 『アントマン&ワスプ』ペイトン・リード監督インタビュー

『アントマン&ワスプ』 ペイトン・リード監督

身長1.5cmサイズで戦う最小最強ヒーローのアントマンの活躍を描く『アントマン&ワスプ』のペイトン・リード監督に直撃インタビュー。主演のポール・ラッドを始め、みんなで話し合いを重ねて面白いアイデアを実現するという楽しげな制作方法や、本作で自身の「キャリアが一周した」と語る監督の真意に肉迫! 2019年に香港ディズニーにオープンする『アントマン&ワスプ』のアトラクションについても聞いたぞ!


●なんでも13歳の頃に映画監督を目指されたそうですね。何がきっかけでプロに?

13歳の時に初めてカメラを手にして友だちと映画を作ったよ。それはスーパー8のものだったけれど、映画を作りながら間違い、そこから自分で学びを得た気がする。「映画監督になるにはどうしたらいい?」ということをよく聞かれるが、そういう時に僕が言っていることは、とりあえず映画を作りなさいということ。とりあえず映画を作ってみて、自分の間違いから学ぶことが一番だということを言うようにしているよ。

●公式サイトにもでかでかと載っていますが、巨大なハローキティのPEZが日本でも話題になっていました(笑)。

PEZをいろいろと見ながら、最初は「キャプテン・アメリカなどどう?」という話をしていたけれど、やっぱりマーベルキャラクターは止めようようということで、ほかにいろいろと探していて、ハローキティがいいと思ったわけ(笑)。あれが巨大化するって、面白いはずだと。

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●主人公のアントマンのサイズもちょいちょい変わりますよね? 今回、中途半端なサイズにもなったり、どう撮影しているのかなと。

撮影はすごく大変だったよ。キャシーの学校に潜入するシーンで、スーツが入っているトロフィーを盗み出すシーンがあるけれど、映画を観ているとサラッと取っているようにも観えるけれど、実はすごく難しかったよ。ワスプ役のエヴァンジェリン・リリーは等身大のままで、スコットはうんと小さくなったり、大きくなったりするよね。だから、視覚効果の担当者が、数学的な計算を何度もしなければならなかったからね。

●ところで、最近では新しいディズニー映画と連動して、世界中のディズニー・パークスでプロモーションを行いますが、『アントマン&ワスプ』の新しいアトラクションも、2019年に香港ディズニーランド・リゾートに誕生する予定ですね。

そういうの、僕は大好きでね。実際、この映画を撮った後、ポール・ラッドとエヴァンジェリンと3人で香港のディズニーランドに行って、新しいアトラクションのために、また別の映像を撮影したばっかりだ。すごく面白くて、エキサイティングなことだと思う。映画は映画で、それとは違う独立したストーリーを作って、それを年間で何百万人という人が楽しめることになる。ある意味、新しいインタラクティブなライド体験がテーマパークでできることは、すっごく楽しいことだと思うよ。

●映画を撮って、それで終わらない時代になりましたよね。

実は何年も前、90年代の初めにユニバーサル・スタジオに『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のアトラクションがあって、その映像を撮ったこともある。ある種、自分の中で一周したというか、その時に『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のライドを手掛けて、今度は自分が監督した作品のテーマパークのビジュアルを自分でやるとはね! なんだか自分の中で一周したなあという気がしていて、感慨深いよね。

(取材・文/鴇田崇)

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<STORY>
頼りなさすぎるヒーロー<アントマン>と、完璧すぎるヒロイン<ワスプ>──ふたりの前に、すべてをすり抜ける神出鬼没の謎の美女<ゴースト>が現れ、アントマン誕生の鍵を握る研究所が狙われる。さらに、金目当ての武器ディーラーの襲撃や、アントマンを監視するFBIの追跡も巻き込み、人や車、ビルなど、すべてのサイズが変幻自在に変わる"何でもアリ"の大騒動に! アントマンとワスプは世界を脅かす"秘密"を守り切れるのか? 小さくなるほど強くなる、身長わずか1.5センチの最小にして最強ヒーロー・コンビによる、痛快バディ・アクション!

『アントマン&ワスプ』
大ヒット公開中! 
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) Marvel Studios 2018

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鴇田崇(ときた・たかし)

1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在はフリー。年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、雑談のような語り口で相手のホンネを引き出すスタイルは、一部の関係者に定評がある。史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。

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