第61回 9月公開『ザ・プレデター』に期待! シリーズを改めて振り返る!
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今年楽しみにしている映画の1つに『ザ・プレデター』という作品があります。
宇宙からやってきた異星人と人間の戦いを描く、人気SF映画シリーズの最新作です。最近予告編が解禁となり、日米同時公開で9月公開となりました。
http://www.foxmovies-jp.com/the-predator/
『プレデター』は1987年に1作目が公開されました。
以後シリーズ化され、
『プレデター(87)』
『プレデター2(90)』
『プレデターズ(10)』
が製作。
また『プレデター』シリーズを作った20世紀フォックスはあの『エイリアン(79)』シリーズの映画会社でもあります。その強みを活かして
『エイリアンVSプレデター(04)』
『エイリアンズVSプレデター(07)』
という番外編も作られています。
彼らはいろいろな星の"強い者を狩る"のが好きという習性があり、地球へも、その狩りを楽しむ(?)ためにやってきたわけです。
従って彼らが狩りの対象とする相手は、"おとなしい一般市民"ではなく"戦っている地球人"でなければならず、
『プレデター(87)』ではジャングルにいたコマンド部隊
『プレデター2(90)』ではロサンゼルスにいたギャングと刑事
を狙います。
そう1作目、2作目では人間たちが戦っている場所に、このプレデターが現れ大騒ぎが起こるというものです。『プレデターズ(10)』では地球の危険な犯罪者たちを他の惑星に集め、そこでサバイバル・ゲームをするという展開でした。
そう『プレデター』シリーズは、"地球外生命が人間を襲う"というパターンでありながら
ホラーというよりもアクション映画テイストなんですね。
アクション映画に登場するエイリアンですから、エイリアン自体もアクションができなければならず、例えば『エイリアン』や『遊星からの物体X』等と比べると怪人っぽい。
(一説によると、日本のスーパー戦隊ものの悪役キャラにインスパイヤされたデザインらしい)
ウルトラ・シリーズに出てきそうな星人のイメージもあります。
だからバルタン星人と西部警察が戦うとか、アウトレイジの面々とマグマ星人が出会うみたいなことです。
実は、この作品は80−90年代にかけて『リーサル・ウェポン』や『ダイ・ハード』といった人気アクション映画シリーズを作り続け、ハリウッドを席巻したジョエル・シルバーの製作なのです。
従って彼は自身が得意とするアクション映画の中に、SFホラー的な要素を組み込んだのが『プレデター』シリーズと言えます。
『プレデター(87)』はミリタリー・アクション『コマンドー(85)』×エイリアンだし
『プレデター2(90)』は刑事アクション『リーサル・ウェポン(87)』×エイリアンです。
『コマンドー』出演のアーノルド・シュワルツェネガーが『プレデター』に出演
『リーサル・ウェポン』出演のダニー・グローバーが『プレデター2 』に出演
ということからもその狙いは明らかですね。
"アクション映画の体裁をしたSF"というコツをつかんだジョエル・シルバーは、後に『マトリックス(99)』を成功させます。
今回1作目から数えて31年目の最新作ですが、初期2作が当時ブームだったアクション映画テイストをとりいれていたことを考えると、今度の『ザ・プレデター』は昨今のアメコミ・ヒーロー・アクション映画の影響を受けているかもしれませんね。
実際、プレデター自体アメコミ化されているし(なんとバットマンと戦ったこともある!)
また今回の監督シェーン・ブラック(なんと1作目の『プレデター』に出演しており、しかも殺される役!)は『アイアンマン3』の監督なのです。
異色のヒーロー映画になりそうな『ザ・プレデター』に期待です!
(文/杉山すぴ豊)