第59回 思春期の映画体験のこと
- 『映画人が選ぶ史上ベスト・ムービーズ 『SCREEN映画遺産を楽しむ』』
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映画雑誌『SCREEN』さんの別冊ムック「映画人が選ぶ史上ベスト・ムービーズ 『SCREEN映画遺産を楽しむ』」に寄稿させていただきました。
映画評論家やライターの皆さんが、それぞれ生涯のベスト10(洋画のみ。邦画は入らず)を選んで、集計したものです。
何が1位になったのか、僕の選んだ十選とは?
興味のある方はぜひご覧ください。
http://screenstore.jp/shopdetail/000000002805/
まあ、僕の場合、大きく分けて2つあって、やっぱりアメコミ映画のライターであるわけですから、アメコミ映画の中から4本選びました。
DC、マーベル、、バランスよく(笑) そして残りは、だいたい僕が小学生の高学年から中学生の時に観た70年代後半の映画です。
この時期はちょうど『燃えよ!ドラゴン』のヒットによるブルース・リーへの熱狂、、
『エクシシスト』から始まるオカルト・ホラー映画ブーム
そして『ポセイドン・アドベンチャー』がきっかけとなってまきおこったパニック映画ラッシュ。
だからこのへんの作品が実に多いです。
やっぱり中学生・高校生=思春期の時にどんな映画を観たのかが、その後の映画経験に大きな影響を与えます。
正直ブルース・リーに出会っていなかったら、これほど映画好きにはならなかったかもしれません。
最近映画業界の人に聞いたのですが『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』『グレイテスト・ショーマン』は10代の若者の動員も目立つそうです。
彼らにとって
*初めて観るホラー
*初めて観るミュージカル
になるかもしれません。
この2作がきっかけとなって、若い洋画ファンが増えていくかもしれません。
繰り返しになりますが10代の時に観た映画って、ハマった映画ってその後の映画人生を左右しますから。
一方で若い洋画ファンの開拓という意味で、ここ数年のアメコミ・ヒーロー映画の果たしている役割は大きいと思います。
2012年に『アベンジャーズ』が公開されたときに高校生ぐらいの集団が「これ観ようぜ!」と映画館に入っていくところを見かけました。
『シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ』の公開時には、中学生ぐらいの男の子たちが「知ってる?次のソーの映画にはハルクが出るんだぜ」と普通に会話していました。
バットマン好きは40代に多いそうですがスーサイド・スクワッド」のハーレイは若い女の子に人気です。
アメコミのTシャツを着た若いファンを映画館で見かけるいうになりました。
僕のツイッターも中高生のフォロワーがぐぐっと増えました。
アメコミ映画は、やっぱりアクションが派手でエンタテインメントとしてハズれがないし、その一方で、結構悩める人たち(=アメコミのヒーローって基本みんな人生くらっていて、あれこれ悩んでいるでしょう?<笑>)の物語なので、悩み多き思春期にみると本当に共感するんですよね。
今月はいよいよ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が公開です!
2008年の『アイアンマン』から始まった一連のマーベル・シネマティック・ユニバースの集大成にして記念すべき超大作!
若いアメコミ映画ファンにとっても祭りのはじまりとなるでしょう!
なお80年代の洋画にハマったという人にとっては『レディ・プレイヤー1』がおすすめ!
80年代ポップカルチャーが炸裂するスピルバーグ映画です。
また怪獣映画が原体験という人には『パシフィック・リム:アップライジング』でしょう!
素敵なシネマティックGWを!
(文/杉山すぴ豊)