連載
杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス

第38回 過激な表現も"あーる"? R指定スーパーヒーロー映画の可能性を広げた「デッドプール」!

『デッドプール』は、TOHOシネマズ 日劇ほか全国公開中!

ようやく日本でも公開された『デッドプール』、大ヒットのようです!
ちょうど1年前に『マッド・マックス:怒りのデス・ロード』が公開され
大きな盛り上がりを見せていましたが、それに似たヒットになりそうです。

『デッドプール』については他のWEB媒体や劇場パンフレットに<杉山すぴ豊>として寄稿していますので、よかったらご覧ください。
http://supi.wablog.com/5071.html

さて全米では2月11日に公開された『デッドプール』、
記録的な大ヒットとなりました!
R指定作品(=15歳未満鑑賞不可)としては歴代最高の、
週末3日間オープニング記録1億3200万ドル超えでスタートしました。

これまでのR指定映画のオープニング記録が
03年の『マトリックス・リローデッド』9177万ドルですから
13年ぶり、初の1億ドル超え。
その後4週連続週末トップ。
この他「2月公開作品」「プレジデントディの休日を含むオープニング4日間の作品」
としても歴代最高のオープニング成績!
驚くべきことに『スター・ウォーズ エピソードⅢ シスの復讐』の記録を抜いて、
歴代20世紀フォックス映画史上最高のオープニングだそうです。
現在3億6200万ドル超えて全米歴代31位、
全世界でも7億6300万ドル超えて歴代65位(『ダ・ヴィンチ・コード』を抜いている)。

たしかこの作品は内容が過激なので、
いまや世界興収には欠かせない中国で上映できず、
従って中国マーケット抜きでこの数字は立派です。

sub1_009_MKT_0550_v684.1033.jpg

またこの『デッドプール』の大成功が、
今後のアメコミ映画ビジネスにもたらす影響ですが、
R指定のスーパーヒーロー物が"あり"になったいうことです。

基本、マーベルもDCも、スーパーヒーローという題材だけに
"ファミリー・ピクチャー"としても機能させたいと思っています。
興行の広がりやタイアップ企業等のやりやすさを考えると
"子どもも観る事の出来る"作品にしたいと思っています。
しかし『デッドプール』はR指定=15歳以下NGでした。
しかしこれだけの成功をおさめたのです。

この風をうけ、次のウルヴァリン映画(ヒュー・ジャックマン出演)
がR指定作品になりそう。
今まで出来なかった、
ウルヴァリンの爪で敵がばっさばっさと切り裂かれ血がとぶみたいなアクションが炸裂?
*今度のウルヴァリンはよりワイルド?撮影現場に入るウルヴァリン役のヒュー・ジャックマン!
髭が!
https://twitter.com/MaskandHammer/status/737930253809668097

またDCコミックスの方には「ロボ」というワイルドな、宇宙の賞金稼ぎキャラがいるのですが、
この「ロボ」も映画化にはずみがつくかもしれない(ダニー・トレホ出演で映画化の噂あり)
日本で買える「ロボ」のコミック

*ダニー・トレホが自身のツイッターにあげた ロボのビジュアル。ロボ役を熱望?

さらに、再映画化が検討されている
あの『スポーン』(90年代に、アメコミ・フィギュア ブームを巻き起こした魔界ヒーロー)もハズみがつくかもしれません。
掟破りのデッドプールは、アメコミ・ヒーロー映画の常識も破ってしまったのです!

(文/杉山すぴ豊)

***
『デッドプール』
TOHOシネマズ 日劇ほか全国公開中!

監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T.J.ミラー、ジーナ・カラーノ
配給:20世紀フォックス

原題:DEADPOOL
2016年/アメリカ/108分/カラー

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/
(c)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

« 前の記事「杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス」記事一覧次の記事 »

杉山すぴ豊

アメキャラ系ライターの肩書きで、アメコミ・ヒーロー映画やSF、モンスター映画についての伝道活動を、雑誌、TV、WEB等で展開。 映画「アメイジング・スパイダーマン」「アベンジャーズ」の劇場パンフレットにも寄稿しています。映画「サラリーマンNEO劇場版(笑)」にCMクリエーター役でなぜか出演。 AOL等でもコラム展開中。
また人気と評判の(笑)ブログはこちら http://supi.wablog.com/

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム