『ゴースト・ドッグ』に学ぶサラリーマンスピリット。
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『ゴースト・ドッグ』を観ました。「侍スピリット」を持った黒人の殺し屋が主人公。路地でタコ殴りに遭っていたところを、マフィアの幹部に助けてもらって以来、主君と仰ぎ忠義を尽くす彼の愛読書は、『葉隠』の英語翻訳版。武士の心得が説かれた江戸時代の書物です。
ところで、侍、侍、侍ジャパンと言いますが、侍とはそもそも何なのでしょう。武士は職業であるはずですが、侍とは一体?
侍【さぶらい】
①身分のある人のそばに仕えて雑用を勤める人。おつきの人。
②帯刀し武芸をもって主君に仕えた者。武士。さむらい。
これはつまり......雇われ人、もっといえばサラリーマンのことでしょうか。
ところで、映画の中でゴースト・ドッグは主君を2度、銃で撃ちます。しかも、2度とも右肩の同じ場所を射撃。「なぜ同じ場所を撃つのか」と痛がる幹部に向かって「主君の体には、無駄に穴を開けられないから」と、ゴースト・ドッグは言うのです。
ゴースト・ドッグはいかなる時も主君に敬意を払っているのです。たとえ銃で撃ち抜く時ですらも。なんてかっこいいのだろうと、思いました。
現代の侍・サラリーマンにとっても、ゴースト・ドッグが見せてくれた上司へのリスペクトは、忘れてはならないことではないでしょうか。今後もし上司に対し致し方なく攻撃を加えることがあれば、古傷を突きたいと思います。
(文/鬱川クリスティーン)