『大日本人』『しんぼる』『さや侍』に続く、松本人志監督の最新作『R100』がいよいよ公開されました! 今や一般用語となっている「ドM」「ドS」という言葉を世間に浸透させた人ともいわれる松本監督が、「S」と「M」を題材に撮った謎に満ちた作品です。
今回は、本作で大森南朋さん演じるドMの主人公の前に現れる、ドSな雰囲気の謎の男を演じた渡部篤郎さんに、映画についてインタビュー。スクリーンの外でも激渋かつミステリアスだった渡部さんへの、一問一答をお届けします。
──渡部さんが演じた「岸谷」という謎の男。出演シーンはそれほど多くないにもかかわらず、ものすごく印象に残る強烈な役柄でした。
「監督の番組は昔から観ていましたし、好きでしたから、オファーがあった時は嬉しかったですよ。すぐにやりますと返事をしました。役柄はあまり関係なく、監督の作品に出演できればいいと思っていましたね。大森(南朋)くんも昔から知っていますし、会えて嬉しいなって。役作りについては、監督とのやりとりはほぼしていません。独特な衣装も監督のアイデア。ある組織の正義の味方だと説明されたぐらい。彼がパチンコ屋に勤めているのか、サウナに勤めているのか、職業にしても僕の中では定かでありません。意味がわからないまま、謎のまま演じていました」
──監督としての松本人志さんの印象は?
「監督に限らず、他の共演者の方々にもそうですが、印象は持たない方がいいんです。計り知れないですよ、人ですからね。ただいつも思っているのは、とにかくその場を楽しもうということです」
「わからないんです、それが。どっちでもないんじゃないかな」
──劇中には様々な女王様が登場しますが、特にお好きな女王様はいらっしゃいますか?
「笑ったのは、渡辺(直美)さんが大森くんの後ろで踊るシーン。あと、CEOの飛び込みシーンも笑ったな。(片桐)はいりもめちゃくちゃだし。思い返すと、たくさんありますね」
──映画を観るのも非常にお好きだそうですが、特に好きなジャンルはありますか?
「ホラー以外はなんでも。インドの映画もあまり観ないです」
──インド映画は水が合わないのでしょうか?
「飛行機の中でよく何だろうと思って観てみますが、だいたい15分ぐらいでやめてしまいます。俳優をやっているといっても、今でもいち映画ファンですから。好きなものしか観ていないですね」
──特に好きな作品はありますか?
「最近では『キック・アス』です。DVDももちろん持っていますし、何度も観ています。単純に楽しいじゃないですか。ただ、映画は基本的に映画館で観ています。昔はDVDを何千枚と持っていましたが、全部処分してしまいました。そもそも映画館で観るために作っていますから、やっぱり映画館で観る方がいいですよね」
──お気に入りの映画館はありますか?
「ヒルズ(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)です。映画は暇さえあれば観ています。朝から映画館に行ったりしますよ」
──『R100』は試写をご覧になっていかがでしたか?
「楽しかったですよ。ピーター・グリーナウェイやスタンリー・キューブリックの世界に通じるものがある。多くの要素が詰まっていて、いろんな映画ファンが楽しめる作品だと思います。ひとつのエンターテイメントとして世界観を楽しめる一方で、わけがわからないところにも面白さがある。理解できないことに映画としての楽しみを見いだす方は、なおさら面白いと思います。海外で評価されているのも、そういう部分なんじゃないでしょうか」
──最後に、ほぼ友達がいない映画ファンにメッセージをお願い致します。
「友達をたくさん作ってください」
渡部さん、ありがとうございました!
(写真/柳大輔 取材・文/根本美保子 ヘアメイク/イガリシノブ
監督/松本人志
出演/大森南朋、大地真央ほか
配給/ワーナー・ブラザース映画
©吉本興業株式会社
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