おいしいお好み焼きの鍵は「塩」と「アレンジ」

撮影:蛭子 真
夏の暑い盛りでも、無性に食べたくなるお好み焼き。本場のひとつ、大阪で、お好み焼きを焼く楽しさと、長年愛されてきた定番・豚玉のつくり方を、お好み焼き店店主の木地崇嚴(きじ・たかよし)さんに教わります。

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■生地の決め手は、塩。具材はあるもので大丈夫!

日本各地で親しまれている庶民の味、お好み焼き。そのルーツは、意外に古く、安土桃山時代の「麩(ふ)の焼き」にあるともいわれています。
大阪万博の前年1969年から鉄板の前に立ち、お客さんを喜ばせてきた木地崇嚴さん。木地さんの手によるお好み焼きは、鉄板の上で、香ばしいにおいとともに、見るからにおいしそうなオーラを放ちます。表面はカリッとしているのに中はふんわり。豚の脂のコク、キャベツの甘み、生地のだしのうまみが絶妙なバランスで、ソースはあくまでも引き立て役。くどくないので、何枚でも飽きずに食べたくなります。
その味わいの鍵となっているのが、塩。“お好み”の要は塩、と木地さん。塩をしっかりきかせないと、キャベツや卵に負けて味がぼやけてしまいます。また、ソースをいくらかけてもピシッと味が決まらないのだそうです。
そして、「“お好み”はアレンジきかさんと……」というのも木地さんの信条。具材は、高菜漬けでも昨日の残りの天ぷらでもなんでもいい。だしも、家庭では顆粒(かりゅう)だしや昆布茶で十分。これがないとだめ、ではなく、ある材料で、みんなで楽しみながら焼くことこそが、お好み焼きのよさ。これぞ庶民の味の真骨頂です。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』2015年8月号より

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