あなたの囲碁タイプは? ルールを覚えたら自分の個性で打ってみよう

テキスト『NHK 囲碁講座』の別冊付録「個性で打つ碁のすすめ」は、小林覚(こばやし・さとる)九段が、「ルールは覚えたけれど、囲碁の面白さが分からない」という人のための講座です。「個性で打つ」といっても、初心者はまだ自分の個性が分からなくて当然。本冊子に取り組みながら、自分の個性に出会いましょう。

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皆さん、こんにちは。小林覚です。囲碁を覚えて間もない方の味方になるべく、この講座を引き受けました。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは「囲碁」というゲームを覚えていただき、ありがとうございます。いかがでしょう、感想は。早くも「囲碁の魅力に取りつかれた!」なんて方もいるのでしょうか。そうなればもう安心。囲碁はあなたの人生をより輝かせてくれるでしょう。
心配なのは、「ルールは覚えたけれど、囲碁の面白さが分からない」という方。でも、ご安心を。この付録を毎月読んでもらえれば、間違いなくあなたも囲碁大好き人間になります。
そうそう、すでに「囲碁が楽しい!」という方にも、きっと参考になる構成なので、ぜひ楽しみにしてください。
囲碁は入門してルールを覚えたら、あとは実戦で腕を磨くことになります。この時期の悩みとして多いのは「どこに打ったらいいか分からない」というもの。気持ちはよーく分かります! だって盤上は広いですからね。
例えば黒の1手目は、361か所も打てる場所がある(縦19路×横19路)。その中から1か所を選べと言われたら、囲碁を覚えて間もない方なら迷って当然です。
2手目は白番。今度は360か所から1か所を選ぶ。まるで拷問です(笑)。ただし、囲碁はどこに打っても自由というのが持ち味。他のゲームに比べて誇れる部分だと私は思っています。
さて、いきなりですが、局面図を用意しました。A、B、Cの三択です。皆さんならどこに打つかを考えてください。

断っておきますが、問題ではありません。これであなたの盤上での性格を知ることができます。自分の“個性”を知ることによって、「どこに打ったらいいか分からない病」を克服する狙いです。さあ、それでは始めましょう!

■黒Aの解説

黒1を選んだあなたは、元気がいい。これは白2なら黒3と根拠を奪い、白を攻めるときに用いられる手法です。囲碁用語では「ハサミ」と言います。


■黒Bの解説

黒1は、人生設計をきちんとされている方が好みそうな一着です。地味ですが、こうやって少しずつ蓄え(確定地)を増やしていけば、将来はバラ色かもしれませんよ?


■黒Cの解説

黒1を選んだあなたは、夢とロマンにこだわりを持つ紳士淑女なのでは? 白2の実利くらいなら差し上げましょうという態度で、右辺は黒模様に。模様の碁のコツは、どんどん広げていくこと。白2に続いては黒aではなく黒3がおすすめ。

※それぞれのタイプのより詳しい解説と留意点は『NHK 囲碁講座』2015年4月号別冊付録「個性で打つ囲碁のすすめ」でご覧ください。
■『NHK囲碁講座』2015年4月号より

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