『となりのトトロ』メイのモデルは宮崎駿自身? ジブリ公認"内部告発本"が明かす素顔とは

エンピツ戦記 - 誰も知らなかったスタジオジブリ
『エンピツ戦記 - 誰も知らなかったスタジオジブリ』
舘野 仁美,平林 享子
中央公論新社
1,512円(税込)
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 11月4日(金)夜、日本テレビ系列『金曜ロードSHOW!』にて放映の『となりのトトロ』。農村へ引っ越してきたサツキ・メイの姉妹と、不思議な生き物・トトロとの交流を描いたファンタジーである同作は、公開当時の配給収入は5.9億円と振るわなかったものの、同番組枠で放映の際には毎回20%前後の好視聴率をマーク。いまやスタジオジブリの代表作の1つとして、お茶の間でもすっかりおなじみの作品と言えるでしょう。

 今回ご紹介する書籍『エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ』は、そんなジブリ作品を支え続けたアニメーター、舘野仁美さんの回顧録。

 「私は宮崎駿と鈴木敏夫のせいで結婚できませんでした」(同書より)と述べるとおり、1988年公開の『となりのトトロ』から、2014年公開『思い出のマーニー』までの27年間、"ジブリ王国のエンピツ戦士"として腕を振るった舘野さん。

 同書では、宮崎監督の薫陶を受け、動画の品質管理をする「動画チェック」として"縁の下の力持ち"の役割を果たした日々を振り返っていますが、同社の鈴木プロデューサーが寄せている同書の序文「メイちゃんの誕生」では、『となりのトトロ』にまつわるエピソードが紹介されているのも見逃せません。

 それは同作の動画チェックをしていた舘野さんが、隣の席の人に以下の言葉を漏らした際のこと。

「メイちゃんの顔って、画面にぴったり収まるね」
その刹那の出来事だった。
「顔がでかくて悪かったなあ!」
宮さんがなぜ、声を荒げたのか? その理由について、その場に居合わせたぼくは、一瞬ですべてを理解した。でかい顔のメイちゃんのモデルは、誰あろう、宮さん本人だった。(同書より)

 普段は温厚な人柄で知られ、目下のスタッフにも敬語で話す"宮さん"こと宮崎監督ですが、同書によれば、ときにまるで瞬間湯沸かし器のように、雷を落とすことも珍しくなかったのだとか。このときは自分の顔の大きさをからかわれたのだと勘違いし、思わず怒鳴ってしまったのだそうです。

 宮崎監督や鈴木プロデューサーはもちろんのこと、ジブリの"絵職人"こと男鹿和雄さんや、"色職人"こと保田道世さん、アニメーターの二木真希子さんなど、数多くの凄腕職人と過ごした歴戦の日々を描く同書、一読してからジブリ作品を見ると、思いがけない再発見があるかもしれません。

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