小室哲哉も立ち上がった! 音楽制作者を悩ませる違法ダウンロード問題

ネットでやって良いこと悪いこと
『ネットでやって良いこと悪いこと』
佐藤 佳弘
1,337円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS

 有料、無料の音楽ダウンロードサービスが乱立する昨今ですが、日本に限らず世界的に音楽ファイルの違法ダウンロードが問題となっています。現在、日本における音楽の違法ダウンロードは、年間29.3億ダウンロード。これは毎秒約100件の違法ダウンロードが行われていることになります。まさに違法行為やりたい放題状態。

 たしかにユーザーにとって音楽がタダで手に入るなんて夢のようなこと。それで手軽に楽しめれば、いいじゃないか、という考え方もあるでしょう。ただ、タダより高いものはない......ではないですが、このまま違法ダウンロードを放置してしまうと、作り手側に利益が還元されなくなり、音楽制作にかけるコストも削減、結果としてよい音楽が生まれなくなる可能性をはらんでいます。

 アメリカの某有名バンドが、世界で自分たちの音源がもっとも違法ダウンロードされている国や地域でライブしたら、ものすごい集客があって大きな収益を上げたというエピソードがあります。この話からは、音源は"撒き餌"的に散撒いて、ファンを獲得してから、ライブで稼げばいいという結論に行き着きます。しかし果たして、それが可能なアーティストは世界中にどれほどいるのでしょうか? また、それで淘汰されて残ったアーティストだけの世界を、音楽ファンは諸手を挙げて歓迎できるでしょうか?

 日本では、この状況に歯止めをかけるべく「STOP! 違法ダウンロード広報委員会」が、違法ダウンロードの防止を目的とした啓発ビデオを制作、本日5月1日よりYouTubeにて公開しております。
 
 啓発ビデオには音楽プロデューサー・小室哲哉氏と元スケボーキングのSHIGEO氏が協力。本プロジェクト用に小室氏が新曲を書き下ろし、マウスのクリック音をモチーフに、正しいクリックの音が次々創造的な音楽を創り出していくLIVE演奏を収めたミュージックビデオとなっています。

 ただ、この問題がややこしいのは、違法ダウンロードをしている本人が、違法性を認識していないケースが多いことにあります。たしかに音楽コンテンツに限らず、インターネットを利用する際、やって良いことと悪いことの線引きは曖昧で、実は知らず知らずのうちに罰金や懲役の対象となる法律違反や損害賠償の対象となる行為をやっていたりします。

 本書『ネットでやって良いこと悪いこと』は、そうした無意識的な違法行為、また違法に思えて実は問題ない行為を解説してくれている一冊。こうした問題は、知らなかったでは済まされません。特にコンテンツに関わる問題は、一般ユーザーの意識が高まらない限り、解決しない話です。まずは、知ることから始めるべきでしょう。


関連リンク
「STOP!違法ダウンロード広報委員会」YouTube公式チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=Xpeni51y8mY

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム