『水曜どうでしょう』の面白さはなぜ説明しにくいのか

結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ
『結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ』
佐々木玲仁
フィルムアート社
1,944円(税込)
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 北海道ローカル番組から全国区へと瞬く間に拡大した人気番組『水曜どうでしょう』。鈴井貴之と大泉洋、そして、ディレクター・藤村忠寿、嬉野雅道の4人が、「旅」をテーマに、さまざまな企画に挑む人気バラエティです。

 この人気番組を九州大学大学院人間環境学研究院准教授で臨床心理士の佐々木玲仁氏が、「『水曜どうでしょう』はなぜ面白いのか」と「『水曜どうでしょう』の面白さはなぜ説明しにくいのか」といった点について分析しているのが、書籍『結局、どうしておもしろいのか』です。

 特に、同番組の面白さはなぜ説明しにくいのか、といった点は、答えるのが難しそうです。「何だかわからないが面白い」。いざ考えてみるとこのような答えにいきつくのではないでしょうか。しかし、それが面白さの理由を紐解くヒントとなっているようです。「わからない」というのがポイントなのです。

 「わからない」というものは消費することができません。そして、『水曜どうでしょう』は、「わかりにくい」ということが、わかりにくく作られています。そして、「わからない」ということは、コミュニケーションを継続していくことにとっては非常に重要なことだと、佐々木氏は言います。

 「何かとかかわりを持ち続けるためには、そのことに対して『わからない』ということが一つの原動力になるのです。しかし、われわれは一方で『わからない』という状態がとても苦手です。わからないものをそれと知りつつ抱え続けることは苦痛を伴います。しかし、『水曜どうでしょう』では、『わかりにくい』ということそれ自体がわかりにくく、一見わかりやすく感じるので、この『わかりにくいもの』と負荷なくつきあうことができるのではないでしょうか」(佐々木氏)

 わかるようでわからない、『水曜どうでしょう』の魅力。改めて説明しようと思うと、その難しさがわかります。しかし、その『わかりにくい』というものが、面白さの秘訣なのではないでしょうか。同書から導き出された答えを元に、あなたも『水曜どうでしょう』の魅力を語ってみてください。

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