知らないと恥をかく世界の大問題2

知らないと恥をかく世界の大問題2  角川SSC新書 (角川SSC新書)
『知らないと恥をかく世界の大問題2 角川SSC新書 (角川SSC新書)』
池上 彰
角川マーケティング(角川グループパブリッシング)
858円(税込)
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 3月末をもって、テレビ、ラジオのレギュラー番組への出演を一旦とりやめる池上彰氏。高い視聴率をはじき出す人気者の降板とあって、各メディアがこぞって報道し、ジャーナリストである本人がニュースの主役になりました。

 池上彰の最新作『知らないと恥をかく世界の大問題2』は、57万部を突破した第一弾に続くもの。多忙であるにもかかわらず、昨年1年間で、共著を含め38冊もの本を執筆してきました。NHK出身ではありますが、現在の本業は"本"のようです。

 彼の特徴を語るとき、誰もが「わかりやすい解説」という言葉を使いますが、それはニュースの背景を丁寧に語るということだけではありません。

 たとえば、2010年のギリシャ経済危機を説明するとき、彼は「EUの他の国はカンカンに怒りました」という文章を書きます。時事ニュースではめずらしい「ですます調」の文体に、国などを擬人化する手法。単純なことかもしれませんが、こういったテクニックによって、人は「池上流」ニュース解説のファンになるのではないでしょうか。

 「2012年、世界が大きく変わる!」という気になるタイトルの第一章から始まる本書。「大きく変わる世界の潮流を読む~日本はどう進めばいいのか~」の章では、「マスコミも政権交代を」と語ります。

 日本の有権者に政治家を見る目がないのは、「マスコミの罪も大きいでしょう」と池上氏。そして、「政策に通じている記者が少ない」ことを指摘しています。経験不足の若い記者が記者クラブに詰めることが多く、記事も役所の言うなりになりがち。政策の話は難しいからと敬遠し、政局ばかりをスキャンダラスに報道することになると説明します。

 そして、「親小沢か反小沢かなど、昨年末の歌舞伎役者の報道とあまり変わりません。小沢叩きは政治における"海老蔵"報道です」ときっぱり。うーん、なるほど。  

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