連載
続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!

第5回 『ジュラシック・ワールド』ブライス・ダラス・ハワード インタビュー

『ジュラシック・ワールド』(公開中)のクレア役、ブライス・ダラス・ハワードにインタビュー!

新連載! 「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」5回目は、あのスティーヴン・スピルバーグ印の大ヒットシリーズ最新作、『ジュラシック・ワールド』! パークの責任者で、恐竜大暴れの重大インシデント収拾に追われるクレア役、ブライス・ダラス・ハワードへ来日インタビュー! 劇中の、仕事にストイックなキャリアウーマン像はそのままに、共演のクリス・プラットを歩く"パーティー男"と言い放ち、引退した宮崎駿監督にラブコールを贈るなど、快活でお茶目なキャラのブライスに首ったけ! ほぼ友だちがいない人は、『ジュラシック・ワールド』をどう楽しめばいいか、読者アドバイスもちょうだいした!


――今回の最新作は、過去の『ジュラシック・パーク』シリーズの伝統を踏まえ、その一方でコリン・トレボロウ監督の新しいセンスも入っていて、超楽しかったですよ! クレアのキャラクターもシリアスなだけでなく、コミカルな一面もあって!
 
ありがとう! でも最初の『ジュラシック・パーク』(93)も怖いだけじゃく、楽しい側面もあったわよね? サミュエル・L・ジャクソンもいたし、おかしい瞬間もたくさんあったわ。おそらくトレボロウ監督が呼ばれた理由も、そこにあったと思うの。いろいろな要素、コメディーとか、全部ひっくるめた娯楽作を作っているからこそ、彼にお声がかかったと思うのよね。ただ、どれほどマジメな映画だとしても、クリス・プラットがいる限り、最終的にはファニーな映画になるわね(笑)。だって、歩く"パーティー男"だもの(笑)!

――劇中では、ハイヒールで逃げ回るシーンが多かったですね。というか終始、ハイヒールでしたよね?
 
たとえば突然、ヒールじゃなくて、別の靴がどこからともなく出てくるとおかしいわよね(笑)。ということは、裸足かヒールしか選択肢がないわけなの。それでジャングルを見渡してみると、岩があってつるが張っていて、これ裸足はよくないぞと(笑)。ただ、わたしじゃなく、クレアはキャリアウーマンとして企業文化の中で活躍してきた人。そういう意味では、クレアだったらヒールでもマラソンくらい問題ないとは思った。それでハイヒールでいくことになったのよ。つま先で走るのでケガもなかったわ。泥はともかく、コンクリートの上は平気なの。

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――話変わりますが、ファンとして最新情報も気になります!
 
いまはすごく小さい作品の監督をしているわ。ブランド関係のCM映像とか、そういうこと、もしかしたらわたしのキャリアとして日本では知られていないかもね(笑)。後は、シェイクスピアの舞台へも近いうちに出るのよ。これはLAのフィルハーモニックで公演するの。「真夏の夜の夢」ね。ただ、リハーサルも始まっていないので、日本に来ている場合じゃないわ(笑)! それともちろん、いい映画を作りたい気持ちもあるわ。チャレンジンングなキャラクターを演じてみたい。監督も気になるわね!

――組みたい監督はいますか? お父さんとか?
 
無数にいるわ! ソフィア・コッポラ、キャスリン・ビグロー、そうマイダッド(=ロン・ハワード)もね(笑)。それに、スティーヴン・スピルバーグ、スパイク・ジョーンズ、ウェス・アンダーソンと、キャリー・フクナガ、ウォン・カーワイ......たくさんいるわ! 素晴しい監督たちが。そうそう、宮崎駿監督は、本当に引退したの(笑)? 4年に一度くらいはまた、復帰されないかしら? 実際に叶うなら、ジブリ作品で声優をやりたいの!

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――今度は本当に引退しちゃったと思いますよ! さて、今回の『ジュラシック・ワールド』、友だちがいない人は、どう鑑賞したらいいか教えて!
 
これは本当に映画館でミルベキ映画なのよ。スクリーンで観なきゃダメ。友だちや家族と一緒に映画館へ行って、一緒に映画を体験することが大事! 叫んだり、笑ったり、怒ったり、そういうことって、人とつながれる体験なのよ。そういう経験を一緒にすることで、ものすごく心がつながると思うの。まさにこの映画は、そういう経験を保証するものなのよ。

――あ、友だちがいない人は......
 
いい(笑)? 1人で行って、そこでいい人と出会えるかもしれないわ(笑)。もしかすると、一生の恋に落ちる人とえるかもしれない。あるでしょう、そういうことって! でも、家にいたら、そういうことはあり得ないから。そういう意味でも、これは本当に映画館でミルベキ映画なのよ(笑)。

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<STORY>
あの事故から22年、ジュラシック・パークは、最先端のテーマパークとして待望のオープンを迎え、観光客でにぎわう一大リゾート地として経済的にも大成功を収めていた。しかし、テーマパークビジネスの拡大のためには、今以上にリピーターを増やす必要に迫られ、誰もが腰を抜かす新アトラクションの開発が不可欠でもあった。そこで人類史上初の、遺伝子操作によって新種の恐竜を生み出すという、トンデモない計画がパーク内で進行してしまう。恐竜の調教師オーウェン(クリス・プラット)の警告にもかかわらず、パークの責任者であるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は"新種"を誕生させてしまい......。


映画『ジュラシック・ワールド』は、大ヒット上映中!
配給:東宝東和
© 2015 Universal Pictures

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鴇田崇(ときた・たかし)

1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在はフリー。年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、雑談のような語り口で相手のホンネを引き出すスタイルは、一部の関係者に定評がある。史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。

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