連載
杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス

第14回 やはりハリーハウゼンへのリスペクトに満ちた『パシフィック・リム』!! すごすぎ!

映画『パシフィック・リム』8月9日(金)より 3D/2D同時公開!
映画『パシフィック・リム』8月9日(金)より 3D/2D同時公開!

前回、ハリーハウゼン氏の追悼文を書かせていただきました。
ハリーハウゼン氏には、多くの映像クリエーターの方が哀悼の意を表明していますが、やはりこの人もそうでした。
ギレルモ・デル・トロ監督です。
『ブレイド2』、『ヘルボーイ』シリーズ、『パンズ・ラビリンス』を手がけ、いま日本の巨大ロボット・アニメ、そして怪獣映画へのリスペクトに満ちた話題作『パシフィック・リム』の制作に取り組んでいます。

先日日本のマスコミ向けに、この『パシフィック・リム』の最新映像16分と、デル・トロ監督のメッセージ映像がお披露目となり、そのとき、この映画の配給元であるワーナー映画の方から、『パシフィック・リム』のエンドクレジットに"レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎(そう『ゴジラ』の監督です!)に捧ぐ"というメッセージが出ることが発表されました。

『パシフィック・リム』は、2013年8月11日に、サンフランシスコを怪獣が襲うところから物語が始まるようです。このサンフランシスコ襲撃のシーンは、予告篇でも観ることができます。怪獣が、サンフランシスコの・・・恐らく金門橋を壊していますが、まさにレイ・ハリーハウゼン氏の『水爆と深海の怪物』が、金門橋での巨大ダコとの攻防戦でした。そして『パシフィック・リム』の怪獣たちは、まさに深海からやってくるんです!
『パシフィック・リム』の巨大ロボ<イエーガー>は、確かに日本の巨大ロボへのオマージュではあるけれど、『アルゴ探検隊の大冒険』の青銅の巨人タロスでもあるのです。(船を軽々と持ち上げるシーンが、両者にはある!)
ハリーハウゼンの魂も『パシフィック・リム』は引き継いでいるんですね。

さて、今回お披露目になった16分のフッテージですが、その迫力もさることながら、少しストーリーが見えてきました。

①怪獣は自然の脅威というより、人類絶滅の意志をもって現れた何かであり、異次元みたいなところからやってきた=その異次元のゲートが深海だった。

②当初人類は、イエーガーで怪獣たちを倒し、いったんは勝利する。つかの間の幸せは訪れ、イエーガーのパイロットたちは一躍スターに。怪獣たちも、子どものおもちゃの人形になるぐらい、人類は余裕。しかし突如、劣勢になった。

③その劣勢巻き返しの戦いに、菊地凛子さん演じるヒロイン・マコが、伝説のイエーガー<ジプシー・デンジャー>に乗り込む。

④その訓練中。<ジプシー・デンジャー>は、2人のパイロットが、それぞれの記憶を融合させて一心同体となり動かす、という仕組みだが、マコが過去、怪獣に家族を殺された少女時代の記憶にとらわれすぎて、<ジプシー・デンジャー>が基地内で暴走?なおこの少女時代が芦田愛菜ちゃん。迫真の演技!

⑤クライマックス近く、イエーガー軍団と怪獣たちの、香港の戦いと呼ばれるスーパーバトルが展開!

⑥怪獣たちの血は超有毒物質で、その血が飛び散るだけで汚染。

⑦パイロットたちは、イエーガーをSHEと、女性名詞で呼んでいた。

迫力いっぱいですが、やはり僕がドラマ性を感じたのは④。
どんなにつらくても、過去をのりこえ、明日を迎え撃て!
ベタですが、そういう燃えるテーマの映画になりそうです。

それにしてもギレルモ・デル・トロ監督は、メキシコで過ごした少年時代、そこで観た日本のロボット・アニメや怪獣映画が大好きで、いつかこういう映画を作りたいと思って、夢がかなったそうですが、僕も同じような少年時代を過ごしたのに・・・。
うらやましいです、ギレルモ・デル・トロ監督!!(笑)

映画『パシフィック・リム』(8月9日公開)
公式サイトはこちら

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杉山すぴ豊

アメキャラ系ライターの肩書きで、アメコミ・ヒーロー映画やSF、モンスター映画についての伝道活動を、雑誌、TV、WEB等で展開。 映画「アメイジング・スパイダーマン」「アベンジャーズ」の劇場パンフレットにも寄稿しています。映画「サラリーマンNEO劇場版(笑)」にCMクリエーター役でなぜか出演。 AOL等でもコラム展開中。
また人気と評判の(笑)ブログはこちら http://supi.wablog.com/

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