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Vシネマはひねればいいというものではない『暗黒の戦い』

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 クソ田舎にいると、サブカルクソ女およびサブカルクソ男にエンカウントする確率はほぼ皆無に近いので「趣味は単館上映の映画です」なんて寝言を聞かなくて済む。無論、単館上映の映画でも優れた作品は数多あるが、上記の人間の主な動機は「オシャレ映画を観ているアタシってばオシャレさん!」という意識が透けて見えるので、許されるならツルハシで顔面をブン殴ってその様子をインスタグラムにアップしたい衝動に駆られる。
 吉幾三の歌詞ばりの田舎住まいでは、そういうゴミみたいな人間と出会う機会がないので(そもそも近隣に人が住んでいない)、無駄なストレスを抱えずに済む。

 その代わり、単館上映の映画ではなくてメインとなるのはVシネマである。一昔前はヤクザ屋さんが主な視聴者層だったそうだけど、田舎でヤクザやってもどこも青色吐息で無駄にハイテンションな映画を観る気力はないらしい。
 その代わり、何故だか知らないが一般人に人気がある様子。その理由について5万字くらい書けるが、あくまで映画デビューなので割愛する。

 Vシネマの見せ場は暴力、金、思い出したように義理人情。全く一般人には無縁の代物だが、景気が悪いとせめて映画の中でくらい夢を見たいのだろうか。個人的な調べでは、Vシネマの一般視聴者は暴力と金とは無縁なのだけど。いよいよ不思議である。視聴した後に首を括りたい衝動に駆られないのか疑問でならない。

 先に書いた通り、Vシネマのテーマがこんな塩梅なので、あらすじも何もない。完全な娯楽作品なので、深読みするだけ不毛である。

 そんな映画でも一応あらすじは存在するので、大まかに記すと闇の巨大組織の人間(北代高士)が警察に内情を密告する。手引きをしたのは刑事(小沢和義)で「裏の国家公務員」として雇う。

 Vシネマにリアリティを求めるのは愚の骨頂だけど、ものには限度がある。ネタバレを書こうかと思ったが、オチは皆さん想像通りなので敢えて記す必要はないと思われる。

 個人的にはVシネマが好きなのだけど、こうまで荒唐無稽だと、どこに感情移入や憧れを抱けばいいのか皆目分からない。確かにVシネマは総じてマンネリだけども、ひねればいいというものではない。素朴な疑問として、一体これを視聴して誰が喜ぶのか。少なくとも筆者は酒飲んで観たものの、悪酔いして便器が友達状態になってしまった。

 やはりVシネマはマンネリの美学があってこそのものだと思わずにはいられない。

(文/畑中雄也)

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