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プロレス×映画

オールスター戦というよりスタローンプロデュース興行な『エクスペンダブルズ』

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 プロスポーツイベントでよくある「オールスター戦」といえば、リーグ、団体、チームの垣根を越えてひとつの場に集まり競い合う、その業界における一大イベント。映像業界でも同様の企画はありますが、"アクション映画界のオールスター戦"と称されるのが『エクスペンダブルズ』(2010年)。

 監督・脚本・主演を務めるアクション映画界の重鎮シルヴェスター・スタローンのオファーに応え、ドルフ・ラングレン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ブルース・ウィルス、そしてアーノルド・シュワルツェネッガーという名立たるアクション俳優が無駄に総出演。さらにプロレス界からはストーンコールド・スティーブ・オースチン、格闘技界からはランディ・クートゥア、ノゲイラ兄弟が登場します。

 本篇は南米某国の独裁政権の排除を請け負った傭兵部隊「エクスペンダブルズ」が銃に火薬に飛行機に車にバイクに、そして己の肉体で大暴れする王道アクションムービーですが、スター総出演とはいえ、御大スタローンが中心の作品である以上、扱いの差が出るは当然のこと。
 各人それぞれ見せ場の割合でいうと、主役のスタローン:4とすると、右腕役のステイサム:3に続いて、守銭奴功夫野郎ジェット・リー:2、ヤク中ラングレン:1.5、以下0.1~1未満といった感じ。

 プロレスの場合、この形態はオールスター戦というより、特定の選手が懇意にしている選手や関係者に声を懸けて参加して貰う、いわゆる「○○プロデュース(主催)興行」に近いかも!
 主催する選手(とその関係者、そして報酬)次第では有名所は集められないので、本作がスタローン仕切りでなければ実現不能だった面子と考えれば尚更です(破談になった交渉もあったようですが)。この手の興行は主催者である選手が複数試合に出場するなど出番が多い点でも本作と重なります。

 また、ブルース・ウィルスとシュワちゃんというビッグ・ネーム2人が「続編で対峙するかも」という感じで描かれている辺りは、プロレスで喩えれば、実況席にゲストとして登場した超大物選手が「次回やるなら試合に出るかも」みたいな感じでしょうか(実際、続編では2人がスタローンの助っ人に入ります)。

 国内でも10月に公開されたばかりの続編では、ジャン・クロード・ヴァンダムが敵として登場してスタローン相手にヴァンダミング・アクションを炸裂させるほか、助っ人キャラとして伝説のチャック・ノリスも登場するなど、本作以上にお祭り感が増強。
尚、本作の敵ボスの用心棒としてスタローンと格闘対決を演じるも、あっけない最期を遂げる我らがオースチンも続編公開前には再登場の可能性があるとされたものの、結局出番ナシ。まあ確かに再登場したらややこしくなるわな...という最期なんだけれども。

(文/シングウヤスアキ)

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シングウヤスアキ

会長本人が試合までしちゃうという、本気でバカをやるWWEに魅せられて早十数年。現在「J SPORTS WWE NAVI」ブログ記事を担当中。映画はB級が好物。心の名作はチャック・ノリスの『デルタ・フォース』!

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