「家庭菜園のための有機栽培」で秋冬野菜は楽ちんスタート

撮影:谷山真一郎
「春夏野菜の栽培をがんばりすぎちゃった。秋冬の家庭菜園はやめようかな……」
ちょっと待って! ギブアップするのはまだ早い!! 元明治大学農場特任教授で、有機農業研究家の佐倉朗夫(さくら・あきお)さんが、自然の力にゆだねるように野菜を育てる有機栽培を取り入れて、秋冬野菜を楽にスタートする方法を提案します。

* * *


■有機栽培は難しい?

有機栽培は、土壌微生物の働きが要となる栽培方法なので、有機質由来の堆肥などを利用して土壌微生物が十分に活動できる環境作りを心がけなければなりません。
そう聞くと、家庭菜園のハードルが一気に高くなり、きっと難しい栽培方法だと思う人も少なくないでしょう。
でも、その認識は大間違いです!
自然界において、そもそも土には植物を育てる力が備わっています。その自然の力にゆだね、自然とともに作物を育てていくのが有機栽培です。
佐倉流有機栽培が楽にスタートできる理由は以下の4つ。
・野菜の根は抜き取らなくてもいい
・耕さなくてもいい
・酸度調整はしなくてもいい
・元肥は施さなくてもいい
このほかに、農薬の散布や保温のためのトンネルがけなど、過度な保護管理も必要ないのです。

■無理なく長く続けられ、誰でも気軽に取り組める

佐倉さんが推奨する家庭菜園は、「土が植物を育てる力」と「自ら育つ植物の力」を頼りに、「育てる作物をよく観察」して、無理なく長く続けることができるサステナブル(持続可能な)な有機栽培を目指しています。
有機栽培だからといって、何か特別な機械や大きな道具・資材を用意する必要はありません。栽培する時期を工夫して、自然の性質を上手に取り入れながら、植物の力を最大限に生かせば、多様な生物の生育環境にも配慮することができます。
そして何より、健全な土壌で育てた野菜は、おいしくて格別です。
※テキストでは葉もの野菜やキャベツの有機栽培方法を詳しく紹介しています。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2021年8・9月号より

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