うつの心を癒すチャーリー・ブラウン~『悩んだときに元気が出るスヌーピー 』
- 『悩んだときに元気が出るスヌーピー (祥伝社新書 182)』
- チャールズ M. シュルツ,香山リカ 選,香山リカ 選,谷川俊太郎
- 祥伝社
- 858円(税込)
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小学生の時に運動会で「誰か一人が手を抜いたら、みんなだめになる」なんて先生に言われ、手を抜いて参加したものの結局結果はいつもと同じで「別に自分がやらなくても変わらないじゃん」って、ちょっと切なくなったこと。大人になればなったで、会社で「お前の代わりなんていくらでもいるんだ」なんて上司に怒鳴られて、腹立つなぁと思いつつもどこかで「そりゃそうだよな」なんて思ってしまったこと。
自分の存在価値って考えたくないけど、人間ですから考えてしまいますよね。でも、考えれば考えるほど迷路に入っていってしまい、だからと言って誰かに相談したところで「大丈夫、私はあなたを必要としているから」なんてありきたりな言葉をかけられても、正直すっとせず・・・。
そんな風に悩んでしまった時におすすめなのが『悩んだときに元気が出るスヌーピー』。スヌーピーとその仲間たちが、目からウロコ的なやりとりで解決してくれます。
「なんで私たちはここにいるのか」。チャーリーブ・ラウンの妹サリーが学校でそんな宿題を出され悩んだあげく、兄のチャーリー・ブラウンに相談しました。普通ならそんな質問をされたら返答に困るところでも、彼はソファーに座ってテレビを見たままこう言います。
「分かりっこないだろう?」。
ここまであっさり言われてしまうと、一瞬びっくりしますが「よかった、思ったより簡単だったわ」とサリーもあっさり引き下がるのです。
そんなやり取りが続く本書。「問題から目をそらしたり、だらだらしながらなんとなく忘れたり、目の前のほかのできごとに夢中になってしまったりしながら『まぁ、いいか』と肩の力を抜く、そんな解決方法があったっていいのだ」と本書のエピーソード選出者の香山リカさんは言います。
この本を読むと本当にそんな気持ちになるから不思議です。だってスヌーピー、「あなたはどうでもいい存在よ」ってキツイ一言をお見舞いされても「じゃぁ、いずれにせよもう一眠りしよう」って、スヤスヤ。
このスヌーピーのセンスを見習いたいものです。