人間力を磨くなら高いお金を払ってでも○○に行け

大人を磨くホテル術 (日経プレミアシリーズ)
『大人を磨くホテル術 (日経プレミアシリーズ)』
高野 登,牛窪 恵
日本経済新聞出版社
918円(税込)
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 みなさんは普段"ホテル"をどのように利用されているでしょうか。

 ホテルは宿泊はもちろん、商談をはじめとするビジネスシーンにおいて、ランチやスイーツバイキングに、忙しい日常から離れて一人静かにリラックスしたいときに、特別な日を演出したいときにと、あらゆるケースに応じた利用の仕方が可能。さらに、ホテルのなかに身を置けば、自ずとおもてなしの妙やコミュニケーションを感じることができ、自身の感性も刺激され、人間力そのものを磨くことさえできるのだといいます。

 「ロビーやフロント、ラウンジ、レストラン、あるいはエステやお庭、コリドー(廊下)、エレベーターに至るまで、洗練されたホテル空間には、そこに"人"が介在し、対ホテルマンとの、あるいはお客さまどうしの間で、今日もあらゆる人間ドラマが繰り広げられる」(本書より)

 「ホテルほど全方位的に感性を刺激してくれるものはないと思っています」(本書より)と語るのは、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍、マーケティングライターとしての顔を持ちつつ、国内だけで100軒を超えるホテルを利用するなど、超がつくホテルフリークだという牛窪恵さん。

 そんな牛窪さんは、数々のホテルを利用する度毎、新たな発見があり、感じるところも多いといいます。同じホテルを利用したとしても、自分が成長することによって、それまで見えていなかったホテルマンの心配りに気が付いたり、おもてなしの真意が見えてくることもあるのだそう。

 ホテルマンと話すことで対話力が磨かれるだけでなく、ホテルを利用する際"なぜ"という視点を持つことによって、関心力や仮説力をも磨かれるというのは、ザ・リッツカールトン・ホテル・カンパニー前日本支社長であり、35年に渡りホテルという舞台で仕事をしてきた高野登さん。

 たとえば、ホテルのトイレを訪れた際、トイレ臭がしないばかりか、いい匂いまで漂ってきた場合には、果たして自分の会社はどうだろうかと考えてみる。ホテルでサプライズ体験をしたならば、なぜそのサプライズを実現することができたのか、裏ではホテルマンたちのどのような連携プレーがなされていたのかを考える。もし自分が同じようなサービス、仕事をするとしたら、どのようにすればいいのか。こうした視点をもって物事を見ることができるようになれば、すでにそれは感性が磨かれている証拠だと指摘します。

 さまざまな可能性に満ちた、ホテルという場。"人間力を磨くことのできる場"であるホテルを利用することは、一種の自己投資としても有効なのかもしれません。

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