連載
続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!

第3回 『Mr.タスク』ハーレイ・ジョエル・オスメントくんインタビュー

映画『Mr.タスク』のハーレイ・ジョエル・オスメント君を質問攻め!!(文・写真/鴇田崇)

新連載! 「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」3回目は、あの天才子役として一時代を席巻した、ハーレイ・ジョエル・オスメント君に来日インタビュー! 最新作の"セイウチ"ホラー・エンターテインメント『Mr.タスク』の話題で始め、ダークサイドの誘惑に負けなかった子役時代のエピソードまで、すっかり大人の男になったオスメント君を質問攻め! 今回の『Mr.タスク』のオタク役以降も、テキサスきっての悪党役や気色悪いストーカー役などが続々と待機中で、イメージを覆す渾身の演じ分けにも期待ですよ!


――それにしても"人間のセイウチ化"がモチーフですからね。その作品に入った上での表現は、難しそうだと思いましたか?
 
いや、まったくそうは思わなかった。僕は、僕の役柄のリサーチが必要だったけれど、ポッドキャスト文化を調べたところ、とても楽しくためになったよ。監督のケヴィン・スミス自身もポッドキャストをやっていて、彼は俳優の即興を尊重するタイプだったので、難しいことは何もなかった。おかげで即興が上手くなったよ(笑)。

――この作品に参加して、個人的な想いというか、パーソナルな部分でシンクロしたテーマなどはありましたか?
 
質問の答えとはずれそうだけれど、僕みたいな人生を歩いている人は多くないと思う。NYにいると多様な人々がいてね。映画業界にいると、いろいろな人もいる。自分の人生ではなく、人の人生を聞いて参考になることもある。今まで演じた役柄と似ていることは今回なかったけれど、年を重ねれば経験とリンクしてくることがなくはないと思うよ。

――その映画業界に"オスメント少年"時代からいるわけですよね。よく真っ直ぐに育ったというか、誘惑にも負けず、堕ちがちな子役にならずに過ごせましたよね!
 
ごく普通の学校に行っていたことがよかったと思うけれど、映画を作るには数か月かかるものだが、だいたい夏休みの数か月を使うので、それ以外は通学していた。だから、ハリウッドの外の世界で育ったんだ。確かに業界を見渡しても、子役出身で長いキャリアを現在も重ねている人は、それほどハリウッドにどっぷりとは浸かっていないかな(笑)。そもそも僕の両親が真面目で、地に足が着いた生活を推奨するタイプだった。その影響があったよね。

――なるほど。環境がよかったのですね。学校では、友だちの理解はありました?
 
そうだね。ヘンなことにはならなかったよ。というのもLAは映画の街なので、皆慣れているからね(笑)。それに僕のいい友人たちは、ハリウッドの外の人たちが多いよ。

――ところで最近のお仕事は、どういう基準で選択していますか? 脚本? キャラクター? 今回のテディみたいな、いい意味でファンの予想を裏切ることをしてほしいです!
 
まずは、脚本の質かな。それに今までに自分が演じたことがないキャラクターも気になるよ。たとえば新作の『Entourage』ではテキサス州出身の悪役を演じていて、『Sleepwalker』という別の新作では、気味の悪いストーカーの役柄を演じている(笑)。そのどれもこれもが、僕にとって新しい挑戦だった。今後もなるべく、バラエティーに満ちたキャラクターを演じたいね。もちろん、脚本が大事だけれどね!

IMG_3629.JPG

***

<STORY>
ポッドキャスト番組を運営するウォレス・ブライトン(ジャスティン・ロング)は視聴率を伸ばすため、取材でカナダへ行く。現地のバーで航海の話を聞いてほしいという老人の情報を得たウォレスは、ハワード・ハウと名乗る老人の自宅を訪ねることに。ウォレスはハワードが体験した壮絶な航海の話を聞くが、出された紅茶に睡眠薬が入っていて気を失ってしまう。しかし、目覚めると足の感覚がなくなっていて、ウォレスはパニックに......。

やがて、連絡が途絶えたウォレスを心配して、友人のテディ(ハーレイ・ジョエル・オスメント)と恋人のアリー(ジェネシス・ロドリゲス)は、彼の追跡を独自に始めるが......。

映画『Mr.タスク』は、新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントにて大ヒット上映中!

配給:武蔵野エンタテインメント
© 2014 Big Oosik, LLC, and SmodCo Inc. All Rights Resereved.

« 前の記事「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」記事一覧次の記事 »

鴇田崇(ときた・たかし)

1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在はフリー。年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、雑談のような語り口で相手のホンネを引き出すスタイルは、一部の関係者に定評がある。史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム