最新の脳科学から「自己肯定感」を徹底解剖。何事にもヘコまない強メンタルはこうして作る!

全米トップ校が教える自己肯定感の育て方 (朝日新書)
『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方 (朝日新書)』
星 友啓
朝日新聞出版
869円(税込)
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 近年、日本でも大きく注目されるようになった「自己肯定感」。言葉自体はすでにおなじみですが、自己肯定感とはいったい何で、どのように高めればよいか、みなさんはご存じでしょうか。

 よくよく考えてみると、なんとなくしか理解していないし、そもそも自分の自己肯定感が高いのか低いのかもよくわからない......なんて人が実は多いかもしれません。

 『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』は、名門スタンフォード大学のオンラインハイスクールで校長を務める星 友啓氏が、心理学や脳科学による最新知見から自己肯定感を育てる方法を解説した一冊。これまで自身の学校や講演などで実践・紹介してきたエクササイズやプログラムが、この中にギュッと凝縮されています。

 同書でまず試してみてほしいのが、第1章に出てくる自己肯定感の測定テスト。自身の自己肯定感が他の人と比べて高いのか低いのかを判断する、客観的な材料になるかと思います。結果が自身の実感と異なる場合には、これまで自分が思っていたのとは違う自己肯定感の捉え方が存在すると気づけるチャンスです。

 自己肯定感の定義にはさまざまなものがあり、他人との比較からくる優越感や周りからの承認欲求によって自分を肯定する気持ちが高まる人もいます。けれど、これは外発的な報酬に基づくものなので、長期的に見ると自己肯定感の高め方としてあまりいい方法とは言えません。私たちが本来求めるべき自己肯定感について、著者は「現実の自分をありがたく思う気持ち」のことだと同書に記しています。

 これを理解した上で、第2章からは実践編となります。たとえば、何かヘコむことが起きたときに自己肯定できるようになりたい、もしくは、ヘコみに耐えられる強いメンタルを作りたいと思う人に必要なのは、「私たちはひとりの人間でありながら、様々な分野の『顔』からなる複合体である」と理解すること。もしあることで自分がヘコんだとしても、それは多面的な自分のひとつの「顔」に対するものであり、その際には他の「顔」で自己肯定すればよいというわけです。

「私たちは、ヘコみの外での自己肯定をすることで、ネガティブな自分と心の脅威に対して、ポジティブに向き合う力を取り戻すことができる」(同書より)

 そして、この「ヘコみの外での自己肯定」を自然にできるようになるには、毎日の生活に自己肯定や自己確認ができる習慣をつくっておくことが大切なのだとか。そこで著者がおすすめしているのが、その日にあったことや思ったことなどを書き留めておく「ジャーナリング(日記)」。心理療法のひとつとして長く使われており、自己確認や自己肯定にも有効だそうです。さらにその効果を高めるものとして「TGTジャーナル」という手法も同書では紹介されています。

 このほか、運動法や睡眠、食事、瞑想にいたるまで、さまざまなケーススタディやエクササイズが紹介されている同書。自己肯定感は年齢、性別、地位などに関係ないものであり、誰もが今日からでも強化できるといいます。同書の手法を日々の生活に取り入れることで、みなさんの毎日に、これまでにないいい変化がおとずれるかもしれません。

[文・鷺ノ宮やよい]

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