おいしくて身近な国民的青魚「サバ」をサバ愛好家が徹底解剖!

鯖 サバが好き! 旨すぎる国民的青魚のすべて
『鯖 サバが好き! 旨すぎる国民的青魚のすべて』
全日本さば連合会(全さば連),池田陽子 (全日本さば連合会 サバジェンヌ),池田 陽子
山と渓谷社
1,650円(税込)
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 ここ最近、巷でアツい注目を集めている魚といえば「鯖(サバ)」。手ごろな値段でありながらおいしく、しかも健康やダイエットに効果的とあって、テレビでサバの特集が組まれたり、サバ缶が売上げを大きく伸ばしたりなどしているんです。

 そんなサバのおおいなる魅力を一冊にぎゅぎゅっと凝縮した本が『鯖 サバが好き! 旨すぎる国民的青魚のすべて』。サバを愛する消費者の集まり「全さば連」監修のもと、究極の定番サバ料理から全国のブランドサバ図鑑、絶品サバグルメを楽しめる街に漁業や文化まで......サバ好きであれば大興奮間違いナシの、サバ好きのサバ好きによるサバ好きのための「サバ読本」となっています。

 さて、ここで本の中からいくつか興味を惹かれた箇所をご紹介すると......。まずは第2章の「日本のブランドサバ図鑑」。大衆魚の筆頭格でもあるサバですが、今では日本各地にマサバ、ゴマサバ、養殖サバのブランドサバがあるのだそう。この先駆けとして、1980年代後半に登場した大分県大分市のマサバ「関さば」あたりは聞いたことがある人もいるかもしれません。

 このほかにもゴマサバの「土佐の清水さば」(高知県土佐清水市)や養殖サバの「ひむか本サバ」(宮崎県北浦町)といったブランドサバがデビュー、その後も「唐津Qサバ」(佐賀県唐津市)、「お嬢サバ」(鳥取県岩美町)、「長崎ハーブ鯖」(長崎県佐世保市・松浦市)、「鯖街道よっぱらいサバ」(福井県小浜市)などユニークなネーミングのブランドサバも次々と生み出されています。

 「ブランドサバは一つひとつの産地ならではの、生産者ならではのこだわりが生み出した味わいがある」(本書より)とのこと。それぞれの特長や誕生エピソードなどを読んでいると食べ比べてみたい気持ちにさせられます。

 いっぽう、旅先でご当地ブランドサバをいただくのも素敵ですが、家でサバ料理をもっとおいしく食べたいと考える人もいるでしょう。サバに関するあらゆることを網羅した本書では、その点だってぬかりなし! 第4章では「定番サバグルメの世界」として塩焼きや味噌煮、しめさばを自分で作る際の極意や全さば連推薦のサバ缶5選、サバ缶のちょい足しアイデアなども披露してくれています。

 また、たいへん興味深いのが第5章の「もっと知りたいサバの話」。料理だけではなく、サバは日本で古くから神事や文化、風習とも深く結びついてきたという解説がされ、日本各地のサバの名を有する寺社仏閣を紹介しています。とくに神奈川県東部にはサバの名を持つ神社(「鯖」のほか「左馬」「佐波」なども含むが)12社も点在しているそうで、そのうち7社に参拝する「七さば巡り」なんていう風習もあったのだとか。無類のサバ好きであれば実際にめぐってみるのも面白そう!

 こうして中身を垣間見ているだけでも、読んでみたく......というかサバを食べたくなってきた人もいるのでは? 写真も豊富でサバ欲をそそられるこちらの一冊。ぜひともオススメしたいところですが、お腹がすいているときに開くのだけはご注意を。

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