リーダーシップは、上司ではなく部下が発揮すべし?

部下こそ上司にリーダーシップをとれ
『部下こそ上司にリーダーシップをとれ』
松本 利明
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
1,490円(税込)
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 世界最速で2014年W杯ブラジル大会出場を決めた日本の絶対的エース、本田圭佑(26歳)。オーストラリア戦の翌日の会見で、主力選手の名前を順に挙げて各自に課題を突き付けたことが話題になりました。

 その中で印象的だったのが、年上の今野泰幸選手(30歳)に対してかけた言葉。直前に「ビッグクラブの人と一緒にプレーできるのは本当に楽しい」と言った先輩に対して、「今野選手みたいに憧れを持たれても困る。大先輩なので、どんどんアドバイスをくれればいい」と、"大先輩"という言葉で気遣いを交ぜつつも、本人とチームメイトに刺激を与えました。

 サッカー選手は、「ピッチの上で年の差は関係ない」とよく言いますが、これが会社となるとそうはいきません。やはり、上司との上下関係は絶対だし、先輩後輩の関係が円滑でないと、チームとしてまとまることはできません。

 ところが、もし上司や先輩が自分より仕事ができない場合、ひたすらそのダメな先輩の下で耐え忍ぶしかないのでしょうか。

『部下こそ上司にリーダーシップをとれ』の著者で人事ジャーナリストの松本利明氏は、次のように述べています。

「部下からのリーダーシップは、サッカーの司令塔のように、会社、お客様、職場のみんなが持ち味を活かして幸せになり、かつ、自分のやりたいシナリオで周りを動かし組織を動かすことができる"環境"を手に入れることができる唯一の切り札です」

 ふつう、リーダーシップは上司や先輩が発揮するというのが常識ですが、もし、あなたの職場の上司が頼りない場合、部下がリーダーシップを発揮すればいいという指摘はまさに、司令塔として日本代表チームを鼓舞する本田選手の姿そのもの。

 会社という上下の権限の差があるサラリーマン社会の中でも、若手がリーダーシップをとることは勇気が必要ですが、まずはハードルの低い、簡単なことから始めてみるといいかもしれません。

 例えば、取引先の接待でカラオケに行ったとき。ただ、雰囲気を壊さないように、相手にあわせて盛り上げ役に徹するのが無難ですが、できれば取引先に「わかってるな」、上司に「頼もしい」と思わせるリーダーシップを発揮したいところ。

 具体的には、この世代にはこの曲がテッパンだとか、この世代にはこの歌手が人気がある、などの情報をあらかじめインプットしておけば、例え若輩であってもリーダーシップを発揮して、その場をコントロールすることができます。

 今は、様々なジャンルのチャンネルから流れる音楽が聴き放題で楽しめるauの「うたパス」などのサービスもあるので、少しの空き時間さえあれば、事前のリサーチと予行練習などはどこでもやることができます。

 いい部下を持つ上司の社内評価は上がり、その評価は最終的にその部下に返ってくるもの。逆に、仕事ができない上司の下で働いていると、その部下の評価まで下がり、いつの間にか同期との間でも差がついてしまうことが実際に起こりうるのが日本の企業。このような実情においては、部下がリーダーシップを発揮して、上司ごと、チームごとの評判を高めるという考え方やスキルは、上司を選ぶことができない部下が当然身に付けるべきものなのかもしれません。

【関連リンク】
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