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プロレス×映画

カルキンぼうやの人生を狂わせたハードコア・マッチ!

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『WWE』をご存知でしょうか。ケーブルTVとか適当につけてると時々やってるアレです。スポーツ、ドラマ、コメディとあらゆるエンターテイメントを内包した『WWE』というフィルターを通して「あの映画ってWWEっぽいところあるよね」とレビューするのがこの企画!
(普通に喩えると色々無理があるので概ねコジツケるよ!)

 記念すべき一本目は先日、重度の薬物中毒で余命半年?とも報道されたマコーレー・カルキンの出世作にして人生分岐点『ホーム・アローン』。若めのスティーブ・ブシェミみたいになっちゃったカルキンぼうやの人生を狂わせたこの作品...実にWWE的、なのです。

 家族がクリスマス旅行に出発する中、置いてけぼりを食らったケビン少年が自宅を狙う泥棒を天性の悪戯センスと数々のアイテムを使って撃退するドタバタコメディ、ってこれはもうズバリ「ハードコア・マッチ(※)」でしょうが!

ケビン少年は故エディ・ゲレロ的な悪知恵の働くコズルイ方向性。ひとりで買物をするシーンのホラ吹き具合は特にそれっぽい。今ならサンティーノ・マレラ?
ケビン少年にやりたい放題される泥棒二人組も、ストーンコールド・スティーブ・オースチンに追われて、スーパーのドリンク棚だかでボコられていた頃のブッカーT的なお茶目でアホなヒールで憎めない。

後半残り30分から"試合開始"となるや、ケビン少年の数々の罠によって玄関突破もままならないポンコツ泥棒達は(泥棒ボス役ジョー・ペシの演技と頭が光る!)。
ハンディ戦とあってそこはワンサイドとは行かず、とうとうケビンも窮地に立たされるも、絶妙なタイミングで(殺人犯の噂もあったけど本当はタダの孫想いの)近所の爺様が助太刀介入し、ケビン大勝利!この介入劇がまさにWWE的なのであります。

続く『ホーム・アローン2』のヒットにより天才子役の名と富を欲しいままにしたカルキンぼうやでしたが、自分の稼いだ金の奪い合いで父と母が訴訟バトルするわ、高校中退して結婚と離婚を経験するわ、薬物所持で逮捕されるわ、某キング・オブ・ポップにアレされちゃった騒動に巻き込まれるわ、お姉ちゃんは交通事故で亡くなるわで、再び薬物に身を落とすというWWEもビックリの波瀾万丈振り。ここはひとつ、来年のレッスルマニアのセレブゲストとして奇跡の復活、お願いします!

※「ハードコア・マッチ」とは、あらゆる凶器の使用(会場内の機器や装置も含む)が容認され、場外リングアウト無効により、リング内外のどこででもフォールorタップ(=ギブアップ)による決着が可能となる"何でもアリ"系ルール。数多ある"何でもアリ"系ルールの中でも特に使用されるアイテムとその使い方が特徴的なのですが、最近のWWEは特定アイテムに限定(テーブル、ラダー、イス等)したルールが主流になっており(用意するのがメンドクサイ?)、余りお目にかからなくなっています。

(文/シングウヤスアキ)

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シングウヤスアキ

会長本人が試合までしちゃうという、本気でバカをやるWWEに魅せられて早十数年。現在「J SPORTS WWE NAVI」ブログ記事を担当中。映画はB級が好物。心の名作はチャック・ノリスの『デルタ・フォース』!

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