インタビュー
映画が好きです。

Vol.06 渡部篤郎さん(俳優)

数千枚ものDVDを所有していたほどの映画好き。
好きな映画館は、TOHOシネマズ六本木ヒルズ

『大日本人』『しんぼる』『さや侍』に続く、松本人志監督の最新作『R100』がいよいよ公開されました! 今や一般用語となっている「ドM」「ドS」という言葉を世間に浸透させた人ともいわれる松本監督が、「S」と「M」を題材に撮った謎に満ちた作品です。
 今回は、本作で大森南朋さん演じるドMの主人公の前に現れる、ドSな雰囲気の謎の男を演じた渡部篤郎さんに、映画についてインタビュー。スクリーンの外でも激渋かつミステリアスだった渡部さんへの、一問一答をお届けします。

──渡部さんが演じた「岸谷」という謎の男。出演シーンはそれほど多くないにもかかわらず、ものすごく印象に残る強烈な役柄でした。

「監督の番組は昔から観ていましたし、好きでしたから、オファーがあった時は嬉しかったですよ。すぐにやりますと返事をしました。役柄はあまり関係なく、監督の作品に出演できればいいと思っていましたね。大森(南朋)くんも昔から知っていますし、会えて嬉しいなって。役作りについては、監督とのやりとりはほぼしていません。独特な衣装も監督のアイデア。ある組織の正義の味方だと説明されたぐらい。彼がパチンコ屋に勤めているのか、サウナに勤めているのか、職業にしても僕の中では定かでありません。意味がわからないまま、謎のまま演じていました」

──監督としての松本人志さんの印象は?

「監督に限らず、他の共演者の方々にもそうですが、印象は持たない方がいいんです。計り知れないですよ、人ですからね。ただいつも思っているのは、とにかくその場を楽しもうということです」

──渡部さんはSですか? Mですか?
「わからないんです、それが。どっちでもないんじゃないかな」



──劇中には様々な女王様が登場しますが、特にお好きな女王様はいらっしゃいますか?

「笑ったのは、渡辺(直美)さんが大森くんの後ろで踊るシーン。あと、CEOの飛び込みシーンも笑ったな。(片桐)はいりもめちゃくちゃだし。思い返すと、たくさんありますね」

──映画を観るのも非常にお好きだそうですが、特に好きなジャンルはありますか?

「ホラー以外はなんでも。インドの映画もあまり観ないです」

──インド映画は水が合わないのでしょうか?

「飛行機の中でよく何だろうと思って観てみますが、だいたい15分ぐらいでやめてしまいます。俳優をやっているといっても、今でもいち映画ファンですから。好きなものしか観ていないですね」

──特に好きな作品はありますか?

「最近では『キック・アス』です。DVDももちろん持っていますし、何度も観ています。単純に楽しいじゃないですか。ただ、映画は基本的に映画館で観ています。昔はDVDを何千枚と持っていましたが、全部処分してしまいました。そもそも映画館で観るために作っていますから、やっぱり映画館で観る方がいいですよね」

──お気に入りの映画館はありますか?

「ヒルズ(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)です。映画は暇さえあれば観ています。朝から映画館に行ったりしますよ」

──『R100』は試写をご覧になっていかがでしたか?

「楽しかったですよ。ピーター・グリーナウェイやスタンリー・キューブリックの世界に通じるものがある。多くの要素が詰まっていて、いろんな映画ファンが楽しめる作品だと思います。ひとつのエンターテイメントとして世界観を楽しめる一方で、わけがわからないところにも面白さがある。理解できないことに映画としての楽しみを見いだす方は、なおさら面白いと思います。海外で評価されているのも、そういう部分なんじゃないでしょうか」

──最後に、ほぼ友達がいない映画ファンにメッセージをお願い致します。

「友達をたくさん作ってください」

渡部さん、ありがとうございました!

(写真/柳大輔 取材・文/根本美保子 ヘアメイク/イガリシノブ スタイリト/田中トモコ 衣装協力/ティム コペンズ/Edition 表参道ヒルズ店 DOT・TAILOR

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映画『R100』より
『R100』 全国公開中!

監督/松本人志
出演/大森南朋、大地真央ほか
配給/ワーナー・ブラザース映画
©吉本興業株式会社

都内有名家具店に勤務する片山貴文(大森南朋)が、興味本位で入会してしまった、謎のクラブ「ボンデージ」。サービス内容は、様々なタイプの美女たちが日常生活の中に現れ、未知の愉しみを与えてくれる究極のSMプレイ。しかし徐々に内容がエスカレートしていき、事態は思わぬ方向に......!

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渡部篤郎(わたべ・あつろう)

1968年東京都生まれ。『静かな生活』(95年)で第19回日本アカデミー賞優秀主演男優賞と新人賞をダブル受賞。06~07年に、フランス国立劇場プロデュース、全編フランス語による完全ふたり芝居「La pluie d'ete a Hiroshima」を行う。10年には『コトバのない冬』で映画監督デビュー。主な映画出演作に『スワロウテイル』(96年)、『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』(00年)など。10月11日より出演ドラマ『クロコーチ』(毎週金曜22時〜/TBS系)が放送開始!

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