もやもやレビュー

死ぬほどバカなホラー映画『ゾンビーバー』

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 本作はタイトルの通り、ビーバーがゾンビ化して人々を襲うというもの。タイトルが駄洒落な上に、ストーリーも「まさにB級」と感心するレベルでB級ゾンビ映画あるあるを踏襲している。
 まずは田舎へ女子会に来た金髪美女3人組がビキニ姿を披露。女子会のはずなのに彼氏3人が訪れファックするのはお約束である。ホラー映画の文脈通り、エロいことをしているリア充は次々にバケモノにブッ殺される。

 ここまで書いて、既に本作の内容はほぼ網羅したような気がするけれど、多少話を付け加えると、トラックの運転手がスマホに夢中になって産業廃棄物が入ったドラム缶をビーバーの巣に落としてしまいゾンビ化。ゾンビものの定番として噛まれた生き物は全てゾンビ化し、人はおろか森の熊さんまでゾンビになってしまう。

 普通のホラーなら、善良な美女が最後まで生き残るが本作は「全員、悪人」ならぬ「全員、クズ」なので誰も助からない。大体、ゾンビに襲われている最中にファックするという時点でアタマがおかしい。しかも事の最中に女はゾンビ化し、ビーバーのような顔つきに。一体、このシチュエーションは誰が得するのか。ちなみにゾンビ化した女に男がナニを齧られるという、股間が縮み上がるシーンもある。ここまで来ると、ホラーというよりもギャグだ。
 その他、ゾンビ化したビーバーから逃げるために愛犬をビーバーの群れに放り込んだりゾンビ化したビーバーが道路を塞ぐほどの木製ダムを建設したり、延々とデタラメが続く。

 登場人物たちは1人を除いて殺し合いなどの結果全員死亡。方々の体で逃げ出した生き残りの男は、冒頭のトラックに助けを求めるが、例によってスマホに夢中なあまり轢き殺すという、どうしようもないラストを迎える。

「何だ、これ......」と呆然としていたら、エンドロールが終わった後にゾンビ菌に感染したハチが巣に戻るシーンが流れる。今度はハチがゾンビとなって人々を襲うという暗示なのだろうが、散々酷い有様を見せつけられた後にこのようなシーンをとってつけられても「次回作があるとしたら、タイトルは『ゾンビー』とかなのかしら?」程度のことしか考えつかない。そもそも、この映画はホラーなのかさえ怪しい。一応、レンタルビデオ店のホラーコーナーに置いてあったけど。

 まともな映画として視聴したらおそらくテレビをブン投げたくなるだろう。が、酒を飲んでゲラゲラ笑う分には最高だ。間違っても妻や恋人と観るには向かないが。

(文/畑中雄也)

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