猛暑や豪雨はこれからどうなる? 気候モデル研究者が解説する地球温暖化

- 『地球はどこまで暑くなるのか 世界の「異変」がわかる気候変動の真実 (マガジンハウス新書)』
- 渡部雅浩
- マガジンハウス
- 1,100円(税込)

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連日の猛暑に記録的な豪雨、生態系の変化......。近年、世界各地で起きる異常気象のニュースを目にするたびに、地球温暖化の影響を心配した人も多いのではないでしょうか。インターネットには「温暖化はウソだ」や「すでに手遅れだ」といった意見もあり、何を信じればよいのかわからないという人もいるかもしれません。
そんな人に紹介したいのが、『地球はどこまで暑くなるのか 世界の「異変」がわかる気候変動の真実』という書籍です。東京大学大気海洋研究所気候システム研究系教授で、気候モデル研究の第一人者である渡部雅浩氏が、「これから日本と世界で何が起きるのか」について科学的な知見に基づいて解説した一冊です。
まず、気候変動の研究において、世界平均気温が上昇していること、人間活動によって大気中の二酸化炭素濃度が増加していること、またそれが温暖化の原因になっていることなどについては、現在では強固な科学的証拠が積み重ねられているといいます。
一方で、気候というシステムが非常に複雑であることから、将来の変化には不確実性もあります。しかし、それは何もわかっていないというわけではありません。その不確実性も含めて、科学的に整理された知識や情報に触れることは、自身で判断する上で大切になると渡部氏は記します。
本書は全部で50のQ&A形式になっているのが特徴的です。「地球温暖化のデータは、温暖化を実際以上に強調するために意図的に調整されているのでは?」「地球の平均気温が1℃くらい上がっても、深刻な影響は出ないのではないか?」「温暖化は私たちの社会や生態系にどんな影響を与えるのか?」など、私たちが抱く素朴な疑問に対し、データや研究報告などをもとに解説する構成になっています。
「専門書ではありませんので、数式や難しい理論はできるだけ使わずに説明しています」(本書より)との言葉どおり、この分野に精通しない人にもわかりやすく書かれており、気候変動について考えるきっかけを得られるでしょう。
そして、最終的には第6章のタイトルにもなっている「地球温暖化とどう向き合うか」というテーマにも目を向けたいところです。
「科学的に二酸化炭素の排出削減が必要だとわかっていても、社会はエネルギーを使いながら変わっていかなければならない」(本書より)
本書では、将来避けられない温暖化の影響に人や社会がどう備えていくべきかについてまで踏み込んで記されています。いずれにせよ、大切なのは「正しく知る」こと。本書はそのためのきっかけとなり、私たちの未来を考えるための優秀な手引きとなってくれることでしょう。
[文・鷺ノ宮やよい]