「感じのいい人」はこう話す 人気マナー講師が教える「気くばりのある話し方」

- 『大人がしている 気くばりのある話し方』
- 諏内 えみ
- 明日香出版社
- 1,760円(税込)

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同じことを言っているのに、なぜか好感を持てる人と持てない人がいます。あるいは皆さん自身、気を遣って話したはずなのに相手の反応がどこか冷たかった、距離を置かれてしまったなんて経験をしたことはないでしょうか。その原因はもしかしたら「言葉の選び方」にあるのかもしれません。
仕事や会食、恋愛、メール、LINEなど、さまざまな場面でのコミュニケーションにおいて、「気くばりとは言葉の技術にある」というのは、マナー講師の諏内えみさんです。今回紹介する『大人がしている 気くばりのある話し方』は、諏内さんが「こんなとき、何と言えばいいのだろう」と大人が迷う101の場面で使える適切な言葉を案内した一冊です。
私たちがふだん、気遣ったつもり、丁寧なつもりで使っている言葉にも、見直したい点は潜んでいます。たとえば、ビジネスの場でもよく使われる「お待ちください」「お掛けください」という言葉は、表面上は丁寧に聞こえても、実は敬語で包んだ命令形です。
こうした言葉は、「お待ちくださいますか?」「お掛けいただけますか?」という疑問形・依頼形にすることで、相手が"自らの意思"で選択できるようになり、失礼のない言い回しに変えることができます。
「本物の気くばりとは、要求を押し付けるのではなく、相手に『選ばせる』余裕を差し出すこと(中略)その繊細な配慮の中にこそ、大人の品格が宿ります」(本書より)
さらに、言葉の誤用にも気をつけたいところです。たとえば、「私には役不足です」を、自分の能力が足りないという意味で使うのは、本来の意味とは異なります。「役不足」は、本人の力量に対して役目が軽すぎることを指します。そのため、「自分の能力が足りない」という意味で使いたい場合は、「私では力不足です」「実力不足です」などの言い回しができます。
正しい言葉遣いだけでなく、相手からの誘いを断るとき、失敗した人に声をかけるとき、頼みごとを催促するときなどの伝え方も、本書のテーマです。どのような伝え方をすれば相手のプライドを守りながらスムーズに話ができるか、そうしたハウツーもしっかりと紹介されています。
「感じのいい人」には、その人の「育ち」が関係していると思う人もいるかもしれません。しかし、「必「必要なのは、特別な才能でも、恵まれた生まれや環境でも、長年のトレーニングでもありません。知っているか、知らないか。ただそれだけ」(本書より)と諏内さんは記します。
本書は、マナーや敬語の先にある「気くばりのある話し方」を身につけたい人にとって、最適な一冊となりそうです。
[文・鷺ノ宮やよい]