ラーメンは健康の敵じゃない? 週4~5回ラーメンを食べる精神科医が解説

- 『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない (角川新書)』
- 和田 秀樹
- KADOKAWA
- 1,056円(税込)

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健康を気にする皆さんの中には、「ラーメンは好きだけど頻繁に食べないようにしている」という人もいるのではないでしょうか。もしくは健康診断の結果が返ってきた際に、医師から「ラーメンはなるべく控えてくださいね」なんて忠告されたことがある人もいるかもしれません。
そんな、健康に悪いイメージを抱かれることもあるラーメンですが、精神科医の和田秀樹氏は「今の日本人に不足している栄養素をたった一杯で効率よく補ってくれる『完全栄養食』に近い存在」だといいます。著書『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない』は、自身も週に4~5回はラーメンを食べているという和田氏が、これまでの知見や臨床経験をもとに「体に毒にならないラーメンの食べ方」について解説する一冊です。
まず、ラーメンについてよく言われるのが「塩分が多い」という話です。現在、日本人の平均塩分摂取量は一日あたり9~10g程度ですが、カナダのある研究チームの調査では「中程度の塩分摂取(10~12g程度)は、過度な減塩よりも心血管疾患のリスクが低い」という結果が出ているそうです。そのため「日本人は塩分を摂りすぎ」という一種の決めつけは誤解であると和田氏は記しています。
また、塩分と同じくよく言われるのが、「コレステロール値は低ければ低いほどよい」という説。これも一部のデータだけを切り取って広まったものであり、コレステロールは「私たちの身体を守り、生きる力を作るために欠かせない物質」(本書より)であることも見逃せない事実です。
さらに、和田氏が現在の日本人が見落としている問題として挙げるのが「慢性的なカロリー不足」です。「塩分を控え、コレステロールを避け、痩せていることこそが正しい」という従来の健康観は、時に私たちの体を守るための材料を奪い、活力をそぎ落としてしまうリスクをはらんでいると和田氏は指摘します。
そんな中で、和田氏が優れた栄養補完食になり得ると位置付けているのが、ラーメンです。
「ラーメンの持つ豊富な動物性たんぱく質、適度な脂質、そして脳を動かす炭水化物は、低栄養に陥りがちな現代人にとって理想的な栄養バランスを提供してくれる」(本書より)
もちろん、無制限に食べることを推奨しているわけではなく、「食べるタイミングと作法」には注意が必要とのこと。本書では、和田氏も実践しているという「ラーメンを食べる際のルール」も紹介されています。食べる時間帯やおすすめのトッピング、食後の行動、スープとの賢い付き合い方など、ぜひ参考にしてみてください。
いくら健康に気を遣っても、そのせいで人生から食べる楽しみが奪われるのは残念なことです。また、節制したからといって必ずしも長生きできるとは限りません。本書にある通り、「自分の体調と相談しながら、心地よい量を楽しむ」というのがラーメンと付き合う上での一番の鍵となりそうです。「ラーメン=悪」という固定観念を問い直す同書を通じて、健康や食生活について改めて考えてみてはいかがでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]