マニタ書房閉店日記

とみさわ昭仁

00 少し長いまえがき

博士による紹介

とみさわさんと初めてお会いしたのは2016年5月、『オシキリシンイチの脱力主義!』にボクがゲスト生出演した日でした。
スタジオのある銀座松屋の屋上に、ご本人が訪ねてきて、著書『無限の本棚~手放す時代の蒐集論』(アスペクト)を手渡してくれました。
題名も、装丁も、ボク好みです。



帰宅後、一気読み。
この本はとみさわさんの自叙伝を兼ねていて、現在、神田神保町で古本屋「マニタ書房」を何故、始めたか? 
そして、「本を集めるとは何か?」を問い掛けています。

本書も『メルマ旬報』読者にはぜひ読んでいただきたい。
『無限の本棚』に書かれていることで、ボクが想起したのは、6年前に作った倉庫部屋でした。
自宅近くに借りたビルのワンフロアは、ボクが上京する前の自分の部屋、つまり「思春期の本棚」を再現しました。
あまりに家賃が高額だったので3年で持続を断念、行き場を失った大量の本は、いまトランクルームで保管していますが、あの時の本棚は、他人にはわからないボクだけの宝の山でした。
カミさんやスズキ秘書に本棚の整理を任せたら、古書や古雑誌の一部を「もう読まないでしょ!」と処分されてしまいました。

それがどれほど、かけがいのないものか。
しかし、これは恨み言ではありません。それは「当たり前」のことです。
蔵書の価値は、本人にしか、わからないものだから……。
ああ、俺と同じ癖の人だなーー。
「何時でも、連載に加わって下さい!」と伝えました。
そして2017年7月21日――。
とみさわさんは一足先に、『メルマ旬報.TV』に出演、メルマーズ入りし、遂にこの連載が始まります。

タイトルは、「レコード越しの戦後史」

なんと、既に某出版社から発刊が決まっています。
EPレコードを駆使した、昭和歌謡史を綴ってくれます。

貴方もドーナツ盤の中心穴からみた昭和の情景、その面影を覗いてみてください。

 今月より始まる『マニタ書房閉店日記』は、2012年の10月から2019年の4月まで、およそ7年弱の間だけ神保町に存在した「特殊古書店マニタ書房」という風変わりな古本屋の記録である。 ぼくは2011年の10月に、かねてより闘病中だった妻に先立たれた。後に残されたのは、小学5年生の一人娘と、いくばくかの生命保険。それを開業式として始めたのが、マニタ書房だ。 フリーライターという本業はあったが、折からの出版不況で雑誌というものが激減し、仕事は減るばかり。妻の保険金で当分は食いつないでいくこともできるが、まだしばらくは子育てをしなければいけないし、将来的に進学するであろう娘の学費も確保しておかなければならない。それで、古本屋の開業を思いついた。 フリーライターと古本屋。どちらの商売も「将来性が希薄」という点では大差ない気もするが、そのときに自分にできること、自分がやりたいことを考えたら、それしか・・・・・・・・・・

続きをお読みいただくには「会員登録」と「購読申込」が必要です。

毎月500円(税込)で読み放題+電子書籍版でまとめて読める

読み放題+電子書籍で購読

1記事100円(税込)で気になる記事だけ購読記事を単品で購入する

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。
購入した記事は購読一覧で確認できます。