ラジオブロス

川野将一

Listen.104 特別編 6/16発売の新刊『ラジオの残響 ヘビーリスナー聴く語り記』とは?

この度、『ラジオの残響 ヘビーリスナー聴く語り記』(双葉社)を出版させていただきます、「テレビの放送作家でラジオのヘビーリスナー」の川野将一と申します。
なぜ、テレビの人がラジオの本を? と疑問を持たれる方は、ごはんだって大好きなパン屋さん、自動車にもよく乗るバイク屋さん・・・くらいに思っていただければと思います。

全く別物ではあるものの、同じ食べ物だから、同じ乗り物だから・・・のように、同じ放送メディアとしては繋がるところも多々あるため、「ラジオが面白い!」を人に伝えることができるだろうと、2013年11月から『水道橋博士のメルマ旬報』で古今東西のラジオ番組をテーマにしたリスニングエッセーとして、こちらの「ラジオブロス」の連載を書かせてもらっています。

2016年11月、同連載をまとめた最初の単行本、タイトルはそのままの『ラジオブロス』(イースト・プレス)が出版されました。
水道橋博士編集長から「今、日本一の珠玉のラジオエッセー、時を超えて響く声と文の共振を記す大冊。ここまで凄いラジオ本は誰にも書けない!」と大変有り難い帯文もいただき、今も多くの皆様に読んでいただいています。

(筆者と水道橋博士編集長を結びつけた、更に2000年までさかのぼる、「TV Bros.」での連載&単行本『ラヂオブロス』については省略します。)

そして、2021年6月16日、満を持して発売される4年半ぶりの新刊が、『ラジオの残響 ヘビーリスナー聴く語り記』(双葉社)となります。
様々な境遇のパーソナリティにラジオの声を通じて深入りした、約52万字。全768ページ。3300円。こんなにも厚くて重くて高いラジオのリスニングエッセー集に、ライムスター宇多丸さんから熱い帯文をいただきました。

  ホラ見ろやっぱりいつだって、ラジオが一番、
  新しくて面白くてかっこいい・・・
  なんたって、こんな風に聴いてもらえてるんだから!



118期連続で聴取率1位を続ける、TBSラジオが誇る平日夕方3時間のカルチャーキュレーション番組『アフター6ジャンクション』でメインMCを務める宇多丸さんは、現代ラジオの旗手として取材を受け「ラジオメディアの衰退について」問われた時は決まって、“全くそんな気はしない!”“ラジオは面白いんだから大丈夫!”と訴えています。
その言葉は“だから聴いている皆も堂々と胸を張ろうぜ!”とリスナーにも響き渡ります。
『ラジオの残響』もそんな宇多丸さんが推してくれているんだから絶対大丈夫!な一冊です。 

では、全768ページに一体どんなことが書かれているのか、目次順に紹介させていただきます。

■「まえがき」。本文でも取り上げている『安住紳一郎の日曜天国』の2020年春の放送を引き合いに出し、コロナ禍においてラジオリスナーが増えている喜びと哀しみについて書いています。

■『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』。アトロクをより楽しむためタマフルの11年をプレイバック。筆者と「テレビMC宇多丸」の関わりも振り返った1万8000字のエッセー。

■『サンドウィッチマンのラジオやらせろ!』fmいずみ。2007年から続ける地元コミュニティFMのノーギャララジオ。M-1、大震災、好感度No.1を経てなお進化する現在までを追った1万5000字。

■特別編「SMAPラジオ 華麗なる終焉」。1万6000字。2016年12月の解散に向け5人はそれぞれのラジオブースで何を語っていたのかー。「槇原敬之」の章では「世界に一つだけの花」について。

■『ももいろクローバーZ ももクロくらぶxoxo』。2018年1月卒業の有安杏果さんを軸に16000字。
「ももいろクローバー」最後のラジオは『山里亮太の不毛な議論』の章に書いています。

■『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』(1989〜1995)。最もイベントが多かった伝説のANNを1万6000字で。「ハガキ職人を一芸一能と認め大学推薦をすべきか否か」問題も回顧。

■村上春樹『村上RADIO』(TOKYO FM)。2018年8月から『村上ラヂオ』の著書もある作家が自らディレクター&選曲をしラジオDJを務める番組を聴いて書いた、完璧な文章ではない1万1000字。

■『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』『春風亭昇太と乾貴美子のラジオビバリー昼ズ』。『笑点』新司会者発表までの「聞き出す者VS隠す者」の攻防。パーソナリティ・春風亭昇太を1万2000字。

■『菊地成孔の粋な夜電波』(TBSラジオ 2011〜2018)。故・川勝正幸さんが最後に愛し、『花束みたいな恋をした』の麦と絹も聴いていた伝説的ラジオ番組について1万2000字で執筆。

■『広末涼子のがんばらナイト』(TOKYO FM 1996〜2000)。「高知出身の15歳!」の挨拶で始まった番組と凄絶な濡れ場を演じた2018年のラジオドラマ『ストリッパー物語』を1万1000字で。

■『ウーマンラッシュアワーのオールナイトニッポン0』『ウーマンラッシュアワー村本大輔のオールナイトニッポン』。2014〜2016年「コーナー無し、ゲスト無し、音楽無し」の残響を10000字。

■『倉本聰 富良野からの風を』(ニッポン放送 2001〜2007)。元はニッポン放送の社員ディレクターだった脚本家が『北の国から』終了時に古巣で始めた富良野収録のラジオについて1万2000字。

■特別編 「電気グルーヴの平成ラジオ 〜『オールナイトニッポン』から『たまむすび』まで」。
2019年春の音源・映像の出荷・配信停止の期間中、未来に向けて平成の終わりに1万9000字で。

■『清水富美加 みなぎるPM』(ニッポン放送 2016〜2017)。「出家」で幕を閉じた唯一無二の番組について、昭和の景山民夫さんの騒動と共に1万1000字で振り返りました。

■『コサキンDEワァオ!』(TBSラジオ)。1981〜2009年までタイトルを変えて27年半続いた「コサキン」について、リスナーだった星野源さんのコサキン愛も含め10000字で執筆。

■チャットモンチー『SPARK』(J-WAVE 2014〜2018)。完結のラストライブ直前まで放送された番組についてバンドの足跡とともに1万2000字で執筆しました。

■『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』(2005〜2008)。レギュラー終了以降も2016年から特番で続く後輩芸人に多大な影響を与える伝説的番組について1万1000字で執筆。

■『新垣隆の音楽室』(2015〜JFN系列)。佐村河内守を追ったドキュメンタリー映画『FAKE』公開時「芸術とは最も美しい嘘のことである」というドビュッシーの言葉を紹介した番組を8000字。

■『小泉今日子のオールナイトニッポン』(1986〜1988)。当時20〜22歳、ANN史上初の現役女性アイドルとしてパーソナリティを務めた同番組を中心に様々な作品からの残響を1万2000字で執筆。

■『水曜Junk 雨上がり決死隊 べしゃりブリンッ!』(TBSラジオ 2002〜2010)。コンビが向かい合っていた水曜深夜の悪巧み。『アメトーーク!』とコラボを繰り返した伝説的番組を8000字。

■『ウィークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』(STVラジオ 1983〜2018)。35年間、東京から札幌に通い毎週土曜9時間の生放送を続け亡くなった伝説の“話芸人”について1万4000字で。

■松岡茉優『AVALON』(J-WAVE 2016〜2017)。「FIGHTING DREAMER」としてリスナーの背中を押し続けた熱狂のラジオ番組について初主演映画『勝手にふるえてろ』公開を受けて1万1000字で。

■『菅田将暉のオールナイトニッポン』。ダウンタウンを前にした涙の記憶から、2017年4月3日、これまでで唯一、レギュラーの第1回目の放送を聴いた衝撃だけで書いてしまった8000字。

■特別編「コミュニティFM『渋谷のラジオ』開局リスニング一年記」。2016年4月、箭内道彦さんが初代理事長となって開局した“世界最先端の田舎”のラジオ局の1年間について9000字で。

■『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』シリーズ(2012〜2016)。2部→1部→2部と昇格降格を繰り返した伝説の劇場型オールナイトニッポンについて1万4000字で執筆。

■『上沼恵美子のこころ晴天』(1993〜ABCラジオ)。2018年のM1配信騒動を機に振り返った漫才とM1への想い、ラジオパーソナリティとしての覚悟。月曜午後の関西発の人気ラジオを10000字。

■『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』(ニッポン放送)。2021年3月での終了をいち早くリスナーと共有。ラジオの新たな楽しみ方を提示し続けた番組について1万6000字で執筆。

■『ユニコーンのオールナイトニッポン』(1993年9月21日)。1万1000字で振り返る28年前の解散。男は「奥田民生になりたいボーイ」で「ユニコーンみたいなバンドを組みたいボーイ」だ!

■『ゆうがたパラダイス「赤い公園・津野米咲のKOIKIなPOP・ROCKパラダイス」』(NHK-FM 2016〜2020)。5/28ラストライブ開催。津野米咲さんが遺した音楽愛溢れる放送を1万2000字で執筆。

■『オードリーのオールナイトニッポン[10周年編] 』。2019年3月、武道館をラジオブースにした番組の10年間について1万2000字で執筆。「たりないふたり」は『不毛な議論』の章に。

■『Berryz工房 嗣永桃子のぷりぷりプリンセス』(文化放送・文化放送A&G+ 2009〜2014)。2017年6月をもって姿を消したラストライブまでの様々な残響をラジオを軸に17000字で書きました。

■『笑福亭鶴光のオールナイトニッポン』(1974〜1985)。「ミスター・オールナイトニッポン」の異名を持つ伝説の4時間ANNについて、福山雅治の敬愛コメントを含め10000字で書きました。

■『ハイ!SPEEDで行こう!』(ニッポン放送 1996〜2000)。デビュー半年後、小学生の時代に始まった沖縄出身の彼女たちのラジオ番組をグループの軌跡とともに9000字で振り返りました。

■『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)。局アナパーソナリティを代表する“放送マニア”“中継オタク”ぶり、「radiko」に対する向き合い方の変遷等にふれ1万3000字で書いています。

■『裕木奈江のオールナイトニッポン』(1992〜1993)。『曖・昧・Me』から『ツイン・ピークス The Return』まで様々な出演作とともに、あまりに個性的なオールナイトニッポンを10000字で。

■ピーター・バラカン『Barakan Beat』『ウィークエンド・サンシャイン』。2016年4月、BABYMETALへの「世も末」「まがい物」発言を経て、今一度DJ バラカンに向き合い9000字を執筆。

■『斉藤由貴「オールナイトニッポンMUSIC10」』(2015〜2017)。映画やドラマ、様々な出演作とともに“卒業”を果たした番組を軸にパーソナリティとしての斉藤由貴さんを振り返り9000字。

■『山里亮太の不毛な議論』。コンビ不和から結婚まで葛藤をさらし続ける番組について『アンタッチャブルのシカゴマンゴ』から続く大河ドラマを「たりないふたり」も振り返り20000字を執筆。

■『さくらももこのオールナイトニッポン』(ニッポン放送1991〜1992)、『ももこのおしゃべりチャンネル』(CBCラジオ2015〜2016)。天才漫画家の壮絶な軌跡の残響を1万4000字で。

■特別編「『めちゃイケ』アフター ラジオで愁活(シュウカツ)」。伝説的お笑い番組の終焉を『ナインティナインのオールナイトニッポン』を中心にメンバーの様々な声を拾い集めた10000字。

■槇原敬之『 Who cares? 』(bayfm 2015〜2020)。失われたラジオと30周年イベント。最後の放送で語った「音楽家としての存在意義」ほか今は聴くことが出来ない声を希望を込め1万2000字で。

■「あとがき(最後の一章の前に)」。後のラジオに影響を与えながらも今では絶対に放送できない40年前の『ビートたけしのオールナイトニッポン』から進化したメディア・リテラシーについて。

■特別編「永六輔 叶わなかった生放送の大往生」。あの頃「ラジオの音」とは「永六輔の声」のことだった…。高校時代から70年間ラジオ制作に関わった偉人の残響を11000字で振り返りました。

・・・このように、全41章で41番組を軸に書いていますが、本文中には約200番組、約300人の話題が登場します。索引などはありませんが、例えば「伊集院」の単語は全部で92か所登場しています。どうぞ、それぞれのペースでゆっくり読み進めながら様々な出会いをお楽しみください。

ラジオが好きな人へ。
ラジオが好きだった人へ。
ラジオをこれから好きになる人へ。

ぜひ、52万字、768ページの「ラジオの残響」に耳を澄ませていただければと思います。