追悼・田中正悟さん 「西遊記と大阪球場と18歳」2

 筆者の“西遊記通い”は続いた。 専門学校の昼休憩は、級友の誘いを振り切って西遊記に行った。厨房の店員も、ホールで注文を取る女性店員も「また、同じ子が来た」という顔をした。「いらっしゃい」「あ、どうも」 18歳にとって何もかもがめずらしかった。それはそうだ。つい二か月前まで鳥取の親許で暮らしていたのである。田舎生活を送っていたのだ。その事実が信じられなかった。別世界にいる感覚もあった。「今まで僕は、何と窮屈な環境にいたのだろう」とも思った。 一人暮らしを始めて二か月と言うと、普通なら親の有難みを痛感する頃かもしれない。が、筆者は自由な暮らしの方が勝っていた。都会での一人暮らしを満喫していた。 テレビ一つとってもそうだ。 鳥取にはローカル局が三つしかない。三つである。テレビ朝日系は映らない。だから、たくさんチャンネルのある都会がめずらしい。何より久しぶりに久米宏を見た・・・・・・・・・・

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