『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』外伝 小説「ジャンボ鶴田が黒パンツに変えた日」(13)     

「迅速丁寧な佐川急便」 このキャッチコピーは有名だが、創業者の佐川清は相手が誰であろうと、約束の時間より30分早く、指定の場所に現れることで知られる。 午後6時なら5時半、7時なら6時半。必ず自分が先に来る。でないと気が済まない。無論、歌手やスポーツ選手の多くは畏服するほかなかったが、中には口さがない者もいて「あの人はせっかちだから」と冷笑した。それでも「だからどうした」と気にしなかった。 座右の銘「巧遅は拙速に如かず」は、そのまま社訓になった。だから、佐川急便はヤマト運輸より、日本通運より速い。料金は変わらなのに速い。そして丁寧である。荷物の紐を持つと「紐は持つな。お尻を持て」と厳しく注意される。「お尻」とは箱の底のことである。羽田空港の貨物仕分け場で働いた経験を持つ筆者は身をもって知っている。 佐川清を後援会長に迎えた橋幸夫は、あるときから佐川の先乗りを見越して、自分は一時間早く現れた・・・・・・・・・・

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