『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』外伝 小説「ジャンボ鶴田が黒パンツに変えた日」(10)

 新日本プロレスの営業本部長の新間寿は、その後も、時々ジャンボ鶴田と会った。二人だけで会うこともあれば、共通の知人である中央大学のOBをまじえて酒を酌み交わすこともあった。金融関係の人間が顔を見せたこともある。新間は酔うと「鶴田さん、あなたは天舞う鳳凰たれ」と一席ぶった。鶴田にとって如才のない新間と一緒にいるのは、決して居心地の悪いものではなかった。「猪木さんがこの人を重宝するのはよく判る」と思った。「馬場さんにはこういう人はいないなあ」 付き人だった中堅レスラーのマシオ駒が、唯一そうなりうる立場にあったが、馬場はマシオ駒を大事にしているようには見えなかった。その駒も5年前に35歳の若さで他界していた。御用記者は全日本プロレスを「馬場ファミリーの結束は固い」とほめそやしたが、まったくそんなことはなかった。それぞれの都合で仕事に励んでいたにすぎない。個人主義の鶴田にとってこの状況は嫌いではな・・・・・・・・・・

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