『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』外伝 小説「ジャンボ鶴田が黒パンツに変えた日」(4)

(しかし、本当によく呑む男だ) 松根光雄は、正面に座る肩幅の広い男を呆れたように見た。 新橋の居酒屋。座敷席に通された永里高平と松根光雄が会うのは約一年ぶりとなる。以前のように頻繁に会っていなかったのは、この前年、永里がテレビ朝日が独占中継に踏み切ったモスクワ五輪の事後処理のため、現地に長く滞在していたからだ。 再会を祝してまずは呑んで食った。なかなか食事が喉を通らない松根と違って、永里は相変わらずよく食う。最近は社内にラグビー同好会を立ち上げ新入社員をしごいているらしい。「俺もこんな風に生きられたらどれだけ楽だろう」と松根は臍を噛んだ。「ところで松っちゃんさあ、言いたいことはなんだったんだよ」 ジョッキを空にしながら永里が口を開いた。「……いやさ、実は俺、全日本プロレスに出向することになったんだ」「出向? 松っちゃんが?」「ああ、社長としてな」「じゃあ、馬場は・・・・・・・・・・

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